NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は1月14日、GaN系エピタキシャルウェハの生産能力を拡大するため、三菱化学への製造委託を本格的に開始したことを発表した。

主に青色LEDの材料として知られるGaNだが、熱伝導性が大きく高温での動作が可能なほか、放熱性にも優れ、電子の飽和速度が大きい、などの理由からパワー半導体などへの応用展開が期待されている。

NTT-ATでは、こうしたGaNの電子デバイスへの展開による市場拡大に対応するため、NTT研究所が開発したGaN系エピタキシャルウェハの基盤技術を基に、それぞれのカスタマのニーズに合わせたウェハの製造・販売を2005年より行ってきていた。

今回、三菱化学への製造委託を決定したのは、今後のコレまで以上の市場拡大に対応可能な十分な生産能力を確保することを目的としたもの。三菱化学がこれまで培ってきたMOCVD装置によるLED製造用GaN系エピウェハの量産技術とNTT-ATの製造ノウハウを融合させることにより、電子デバイスへの転用が可能なGaN系エピウェハの量産体制が確立できたことが、今回の委託決定の決め手となった。

また、両社はGaN系電子デバイスの高性能化を実現するため、三菱化学が白色LED用部材として製造・販売しているGaNを下地基板とする新たなGaNエピウェハを、電子デバイスにも利用するための研究開発を進めているとしている。