グレープシティは1月14日、.NET Framework用コンポーネントスイートの新版「ComponentOne Studio Enterprise 2010J」をリリースしたと発表した。2月10日より販売が開始される。

ComponentOne Studio Enterprise 2010Jでは、以前から提供してきたWindows Forms、ASP.NET、WPF(Windows Presentation Foundation)に加えて、新たにSilverlight用のコンポーネントも収録された。

Silverlightに関してはSilverlight 3に対応。ユーザーがその場で表示形式を変更できる柔軟性の高い「データグリッド」や、操作性に優れ見た目も映える「チャート」、Microsoft Office Outlookのようなルック&フィールをWebアプリケーションで実現できる「スケジュール」など、業務アプリケーションのUIをリッチかつ便利にするための39種類のコンポーネントを収録している。

なかには、右クリックによるコンテキストメニューやドラッグ&ドロップ、マウスホイールを有効にするものなど、Silvelightプラットフォームの基盤機能を補強するコンポーネントも含まれており、Windows Formsで開発してきたアプリケーションを置き換える際などにも重宝する内容になっている。

グレープシティのWebサイトに公開されているSilverlight用コンポーネントを使ったデモの画像。グリッドでは、カラムを移動させたり、グループ表示させたり、フィルタをかけたり、階層表示にしたり、といったことが可能。

ComponentOne Studioを利用することで、本来、Silverlightでは取り込むことができないGIF画像も簡単に利用できる。このデモでは、アニメーションGIFを使用しており、ピンク色のキャラクターがくるくると回る。

ユーザーの操作に反応するインタラクティブなチャートも簡単に作成可能。このほかにもバブルチャートや株価チャートをはじめ、非常に多くの種類のチャートが用意されている。

マップやカレンダーもわずかなコーディングで作成可能。マップでは、Bing Mapsと連携する

多様なゲージも簡単に作成できる

さまざまな角度に回せるキューブにボタンやリストなどを配置したり(もちろんボタン、リストを操作できる)…

マウスドラッグで本のようにページをめくれるUIにしたり…

iTunesのようなUIでオブジェクトを選択できるようにしたり…

マウスポイントの位置に応じてオブジェクトの大きさを変えたり…、といったことも簡単なプログラミングで可能

また、ASP.NETのコンポーネントに関しても、全面的に改修を行い、Ajaxに対応させている。これにより、開発者はJavaScriptのコードを一切記述することなく、ASP.NETのコーディングのみで、キー入力やマウス操作などのイベントに速やかに反応するリッチなアプリケーションを構築できるようになっている。

ComponentOne Studio Enterprise 2010Jに含まれる、プラットフォーム別のコンポーネントは以下のとおり。

ComponentOne Studio Enterprise 2010Jに含まれるコンポーネント

なお、グレープシティでは、ComponentOne Studio Enterprise 2010Jのリリースと併せて、Windows Forms用コンポーネントのみを収録した「ComponentOne Studio for Windows Forms 2010J」、ASP.NET用コンポーネントのみを収録した「同 for ASP.NET 2010J」、Silverlight用コンポーネントのみを収録した「同 for Silverlight 2010J」という3つのパッケージも提供を開始している。

各パッケージの価格は以下のとおり。

エディション 対応プラットフォーム コンポーネント数 1開発ライセンス価格
ComponentOne Studio Enterprise 2010J Windows Forms、ASP.NET、WPF、Silverlight 80 19万9500円
同 for Windows Forms 2010J Windows Forms 12 14万7000円
同 for ASP.NET 2010J ASP.NET 28 11万5500円
同 for Silverlight 2010J Silverlight 39 11万5500円

いずれのパッケージも、間もなくリリースされる予定の「Visual Studio 2010」への対応が約束されており、Visual Studio 2010 日本語版のリリース時や新コンポーネントの追加時にはアップデート版が無償で提供される。

なお、グレープシティでは、ComponetOne Studio 2010JでSilverlightコンポーネントを収録したのに伴い、Silverlightアプリケーションのxapファイルを軽量化する「XapOptimizer 1.0J」の販売を強化することも発表。同ソフトウェアを利用することで、コンパイルの際にxapファイルに自動的に格納されてしまう不要ライブラリ(プログラム中で参照してないクラスなど)が削除され、最大で70%もxapファイルのサイズを削減できるという。

こちらは、1開発ライセンス7万3500円。グレープシティでは、Silverlight製の業務アプリケーションを高速化するためのソリューションとして、ComponetOne Studio 2010Jと併せて提供していく予定としている。

XapOptimizerのWebサイト