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ベクターグラフィックを記述するための言語であるSVG 1.0は2001年にはすでにW3C勧告として公開されている。SVG 1.1も2003年にはW3C勧告になっている。SVGにはWebプラットフォームで利用するにあたってさまざまな利点があるが、最大シェアを確保しているIEがサポートしていないため、これまでそのポテンシャルほどにはWebブラウザからは活用されてこなかった。
しかし、この状況は大きく変わろうとしている。これまでSVGをサポートしてこなかったMicrosoftがSVGワーキンググループへの参加を発表。IE9でSVGがサポートされる公算が大きくなった。こうした状況を受けCraig Buckler氏がSitePointにおいて9 Reasons Why SVGs are Important for the Webのタイトルのもと、SVGがWebにとって適している9つの理由を紹介している。紹介されている理由は次のとおり。
- SVGはオープンスタンダードであり開発者は制限を受けることなく利用できる
- ピクセルベースではないためどのサイズであってもスムーズにスケールが可能
- ロゴやグラフなどはJPEG、PNG、GIFで作成した場合と比較してサイズが小さくなる
- SVGのデータはメモ帳からInkscape、OpenOffice.org Darw、Microsoft Visioなどさまざまなツールで操作(作成、検証、編集、圧縮など)がサポートされている
- PHP、.NET、Pythonなどさまざまな言語でサーバ側で編集や作成が可能
- JavaScriptでクライアント側で動的に作成や編集、エフェクト、アニメーション、イベント処理が可能
- SVGレンダリングエンジンで提供される機能が異なっているとしてもフォーマットには後方互換と上位互換があるため、できる部分をレンダリングしてそれ以外の部分は無視するように動作する
- SVGはテキストと要素で構成されているためアクセッサビリティが高く、スクリーンリーダやその他のデバイスでも画像をパースできる
- SVGイメージはGoogle、Yahoo!、Bingoなどの検索エンジンがインデックス化でき、SEOとしての効果も期待できる
9 Reasons Why SVGs are Important for the Webでは、仮にIE9がSVGをサポートしたとしても、そもそも登場が2010年の後半になるだろうということ、MicosoftがSVGのサポートをIE9よりも前のバージョンのIEに追加するとは思えないためIE9が主要なシェアを獲得するまで待たなければならないだろうと指摘している。しかしそれを差し引いても、IEにおけるSVGのサポートは長らく待ち望まれてきた機能で喜ばしいと結んでいる。