Firefox web browser - Faster, more secure & customizable

ノートPCやデスクトップPCのCPUはマルチコア化が進んでいる。今のところ2コアや4コアが多いが、CPUのマルチコア化は今後さらに進むとみられており、8コアや16コアを搭載したCPUがコンシューマ向けPCに登場するのはそう遠い未来の話ではない。

Firefox 3.6のリリースが控えているFirefoxだが、JavaScriptエンジンの高速化や各種性能改善が実施されているにも関わらず、マルチコアにおける性能はほかの主要ブラウザと比べて低いところにある。マルチプロセスアーキテクチャで構築されたChromeやIEは、1ブラウザあたり複数のプロセスが動作する。このためマルチコアの性能をそのまま発揮しやすい。これと比較してFirefoxは単一のコアの性能は使えても、他のコアは使いこなせない状況にある。

こうした状況を改善しマルチコアプロセッサの性能を発揮し、さらにセキュリティレベルの向上も目指す取り組みとしてMozillaはElectrolysisプロジェクトを発表。Firefoxのアーキテクチャをマルチプロセスアーキテクチャで組み直す取り組みを開始していた。Firefox in Parallel - A Pre-Release VersionにおいてFirefox、Electrolysis、Chromeをそれぞれマルチコアが動作するUbuntuで実行した場合のベンチマーク結果が紹介されている。マルチコアアーキテクチャがマルチコアでパフォーマンスにどういった影響を持っているか示す上で興味深い結果になっている。

Firefox in Parallel - A Pre-Release Versionの掲載データをグラフ化

Firefox in Parallel - A Pre-Release Versionの掲載データをグラフ化

Firefox in Parallel - A Pre-Release VersionではFirefox 3.5.6pre、Electrolysis 3.7a1、Chrome 4.0.221.1に対してSunspiderベンチマークを実施。Firefox 3.5.6preと比較してFirefoxをマルチプロセスアーキテクチャで組み替えたElectrolysisは3倍以上の高速化を実現してる。しかしChromeはさらにそれを越える速度で動作していることがわかる。

マルチコアCPUの性能を発揮する方法として、ブラウザのマルチプロセスアーキテクチャのアプローチは効果的な方法であることが示されていることになる。しかしElectrolysisはChromeと比較すると改善の余地が残っていることも示している。