順調な業績

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 本富顕弘氏

ウォッチガード・テクノロジーは米シアトルに拠点を置く企業だ。もともとファイアウォールベンダーとしてスタートし、すでに同社の製品は全世界で150ヵ国、60万台以上が出荷されている。日本市場での歴史は9年。最近2年間は右肩上がりの成長を続けているそうだ。

これは、同社がターゲットとする中小企業における差し迫ったセキュリティ対策のニーズにマッチした日本戦略が推進されているためである。

同社は「ミッドレンジに関して世界でNo.1のポジション」としているが、これには中小企業向けUTM市場のニーズを知りつくした同社の施策が背景にある。

日本市場への真剣な取り組み

「単なるローカライズではなく、"日本化"することに重点を置いている」という国内市場に対する同社の取り組みはユニークだ。管理ツールなどのUIの日本語化は当然ながら、操作マニュアルも「単に翻訳版を用意するのではなく、日本の技術者自身が作成したもの」を提供している。また、サポートを外部委託するベンダーも少なくないが、同社は自前で東京に拠点を設け、ユーザーや販売店からの問い合わせに直接応じている。

機能面に関しても、日本で広く普及している「PPPoE」仕様や、設定不要で導入できる「トランスペアレントモード」の機能追加を米国本社に実現させてきた。これらの施策が、地方販売店への支援強化となり、地方拠点や小規模な環境への導入拡大につながっている。

「見える化」を無償で提供

同社製品の大きな特徴の1つに、専任のIT担当者ではなくても脅威状況がひと目でわかるグラフィカルなレポーティング機能がある。このような機能がオプション扱いとなっている他社製品の場合、「3~5年でアプライアンス本体と同等の金額になってしまうケースもある」ということだが、同社製品ではこれが無償で使える。

同社社長の本富氏は、「企業のIT部門の方々の中には、同社の赤い箱に愛着を持っている人も多い」という。同氏はまた、中小企業顧客が製品を検討する際、「機能や費用の面に加え、ネットワークがセキュアに運用できているという安心感を求めている。その安心感提供に、『見える化』機能が貢献している」という分析を語ってくれた。

主な製品
Firebox X Edge e-Series/Core e-Series/Peak e-Series/XTM 1050/XTM 8-Series(2010年春販売開始予定)など

『出典:システム開発ジャーナルVol.12(2009年12月発刊)』
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