あっという間に2009年も残すところ数日となった。残念ながら、IT業界は最初から最後まで、あまり景気のいい話をほとんど聞くことがなかったわけだがが、読者の方々にとってはどんな1年だったろうか。
今年最後の経営チャンネル週間ランキング、さっそく12月19日(金)から12月25日(土)までの上位10記事を見ていこう。
今年のGoogleの勢いはコンシューマ部門に留まらず、エンタープライズ/ビジネスの分野にも大きく拡がった。Googleのエンタープライズソリューションの代表的存在が"GoogleApps"であり、経営チャンネルでも何度か取り上げたが、いずれも読者の強い関心を引いた。とくに今週1位に輝いたオムロンの事例は、GoogleAppsの導入に興味をもつ人びとの意識に強く印象づけられたようだ。2010年はますます導入事例が増えていくことだろう。
2位はIBMの調査記事。IBMは今年、"Smarter Planet"をコンセプトに、ITに限らず「地球上からあらゆるムダをなくそう」という運動を推進してきた。その結果、地球がより住みやすい星になったとき、都市にはどんなイノベーションが起こるのか - 同調査によれば、都市はより"生命体"に近い存在になるようだ。便利そうだが、"生命体のように感知し、反応する建物"は……ちょっとこわい気がする。
3位と4位には「コンサルの極意」カテゴリに掲載したコンテンツがランクイン。3位のスキルアップ記事は、コンサルタントでなくとも役に立つ"コミュニケーション上達術"に関するもの。熱い気持ちを地に足が着いた言葉で明確に伝える - メディアの立場からも勉強になります!
イノベーションとは従前の価値観をこなごなに打ち砕く破壊的なもの、と定義づけるなら、GoogleとAppleは間違いなくイノベーションの会社である。その代表的アーキテクチャであるiPhoneが今年、日本でも深く広く浸透したという事実(8位)は、いまさら驚くに値しないのかもしれない。ソフトバンク以外のキャリアでも扱ってもらいたいという声もよく聞くが、果たして日本でもマルチキャリアは実現するのだろうか。
今年最後の週間ランキングは、IT系のメディアらしい記事が上位に並んだ結果となった。その中でも、やはりGoogleとAppleに関する記事は、力強い牽引役ということを実感させられた。
さて、今年最後のおまけということで、エンタープライズチャンネルと同じく、経営チャンネルでも2009 年間ランキングを集計してみました。上位3本が圧倒的なPV数で、それ以下はかなり接戦という結果に。
というわけで、年間第1位は本多義則氏による"マネージャの心得"の解説記事。人に仕事を任せることの難しさが、数多くの中間管理職共通の悩みだということが、いまさらながらによくわかる。また、大河原克行氏による経営戦略記事が3本ランキング入りを果たしているところも注目したい。
クラウドコンピューティング、ビジネスアプリケーション、企業買収&提携、スキルアップ術、職場のコミュニケーション、ちょっと脱力系の小ネタ……1年間、経営チャンネルではさまざまな記事をお届けしてきましたが、読者の方の心にいちばん残った記事は果たしてどれだったでしょうか。2010年もより多くの役立つビジネス情報をお届けしていければと思います。皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。