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Opera Softwareは22日(ノルウェー時間)、事前のアナウンスどおり開発最新版となるOpera 10.5 pre-alphaを公開した。10.5 pre-alphaでは3つのライブラリが新しいものへ置き換わっている。JavaScriptエンジンをFutharkからCarakan (チャラカン)へ変更、CSS3対応を追加したPresto 2.5レンダリングエンジン、新しいグラフィックライブラリVegaの投入だ。

Opera 10.5 pre-alpha動作画面

Operaから近いうちにスピードに関してなんらかの発表があることはわかっていた。それが2月4日(ノルウェー時間)に発表されたCarakanを意味するであろうこともだいたい予想どおりだ。Operaが高速化することはほぼ確実な路線だったが、それがChromeの速度を越えられるかどうかは未知数だった。Opera 10.5 pre-alphaがリリースされると複数のブログでSunSpiderのベンチマーク結果がChromeよりも優れた値を出していると報告されるようになった。

ブラウザの包括的なベンチマーク試験を実施しているBetanewsはOpera 10.5 pre-alpha1がリリースされたのと同じ日、The once and future king: Test build of Opera crushes Chrome on Windows 7においてCRPI (Comprehensive Relative Performance Index)の計測結果を発表。まだ開発版でありレンダリングに問題があると前置きした上で、Opera 10.5 pre-alphaが計測したブラウザにおいて最速だったことを発表した。

Browser CRP Index
Opera 10.5 pre-alpha 24.52
Chrome 4.0.249.43 Beta 22.52
Chrome 3.0.195.38 22.32
Safari 4 + WebKit 20.83
Chrome 4.0.266.0 Dev 20.63
Safari4 531.21.10 18.71
Firefox 3.7 Alpha 1 13.29
Firefox 3.6 Beta 5 12.62
Firefox 3.6 Beta 6 11.77
Firefox 3.5.6 11.12
Firefox 3.5.7 preview 10.64
Firefox 3.5.8 preview 10.58
Opera 10.1 6.83
Opera 10.2 Alpha 1 5.85

CRPI結果 - The once and future king: Test build of Opera crushes Chrome on Windows 7の掲載数値をグラフ化

Browser SunSpider
Opera 10.5 65.66
Chrome 4 beta 59.45
Safari4 + WebKit dev 58.67
Opera 10.1 7.75

SunSpider結果 - The once and future king: Test build of Opera crushes Chrome on Windows 7の掲載数値をグラフ化

CRPIはWindows XP SP2で動作するIE7の結果を1とし、それと比較してどれだけ高速であるかを表現している。発表されたCRPIはWindows 7で計測されたもので、Opera 10.5 pre-alphaが前バージョンと比較して一気に性能を引き上げていることがわかる。Betanewsの報告には「One wonders why they're not calling this "Opera 11." (なぜこれを"Opera 11"と呼ばないのかが不思議でならない)」という特徴的な言葉が掲載されている。

この2年間、OperaはPCブラウザとしては機能も性能も、ほかのブラウザの展開から比べると緩やかなものだった。高速化が遅れた背景には、PC以外の組み込みデバイスや複数のアーキテクチャにも対応させる必要があるためと、開発の注力を組み込みに傾けていたからという背景がある。