米Twitterは12月23日(現地時間)、位置情報関連サービスを提供する米Mixer Labsを買収したと発表した。金額等の詳細は公開されていない。Twitterは先月11月にGeotagging APIの提供を発表しているが、Mixer Labsの買収はこれを拡張するものとなり、ひとつのTweet (つぶやき) からより多くの情報を引き出すことが可能になる。
Mixer Labsは米カリフォルニア州サンマテオに拠点を置く未公開のスタートアップ企業。「TownMe」と呼ばれる位置情報に紐付けされたユーザー投稿の街ガイドの構築が可能なサービスを提供している。TownMeは地図情報のほか、US Census Dataといった公共のデータソースを組み合わせた情報データベースで構築されており、開発者は「TownMe API」と呼ばれるAPIセットを使ってこれらデータを呼び出すことが可能。同APIは現在では「GeoAPI」の名称で呼ばれており、例えばTwitterのつぶやきに紐付けされた位置情報を基に、そのつぶやき周辺の店情報や見所などのデータをTownMeデータベース上から引き出すことができる。つまり、TwitterのGeotagging APIを使って、より多くの情報を得ることが可能になるというものだ。
TwitterはGeotagging APIにより、「何してるの?」といった情報だけでなく、「それはどこで起きてるの?」といった次の情報を得ることが可能になると説明する。例えば「地震だ!」という書き込みでは地震がいま発生していることを知るだけだが、そこに位置情報が加わることで「どこで地震が発生した」かを知ることができ、さらに周辺地域のつぶやきや関連情報を素早く集めることが可能になる。すでにこうしたGeotagging APIを活用するアプリケーションが多数登場してきており、今後さらに拡大していくと同社では見ている。Twitterは2010年に同社初となる開発者カンファレンスの開催を計画しており、こうしたサードパーティの開発環境を整え、さらにサービス利用を拡大させていくのが狙いだ。
また同社の今後のビジネス的展望としては、検索エンジンサービスの提供会社との提携が挙げられる。先日Bloombergによる買収が発表された米BusinessWeek誌が、TwitterがGoogleやMicrosoftらと結んだデータ提供契約で2,500万ドルの資金を獲得し、黒字転換したという話を紹介している。これまで広告掲載等を拒みつつ、サービスのさまざまな収益化方法を模索していた同社にとって、大手サイトとの提携、情報サービスの拡大による収益機会の増大、サードパーティとの新たな関係模索など、次のステップに向けた下準備が着々と進みつつある。