今年も残すところあとわずか。さまざまなメディアで「2009年を振り返る」的なタイトルの記事・番組が報道されているが、マイコミジャーナル エンタープライズでも今年1年を総括すべく、今年最も読まれた記事トップ10を挙げてみたいと思う。
第1位 Firefox高速化テクニック8 … 10/6掲載
2位以下にかなりの差をつけて、堂々年間1位の座についた記事は、小誌でおなじみの後藤大地氏によるFirefoxの高速化テクニック。掲載当日はもちろん、本日に至るまで日々高いページビューを稼ぎ続けた。当チャンネルではFirefox関連情報を数多く載せており、読者の関心も非常に高いのだが、その中でも群を抜いたアクセス数であった。ここで紹介したテクニックを使って、実際にFirefoxが速くなったという例も多い。
第2位 【インタビュー】「罫線が大好きな日本人に米国人開発者が驚愕」 - グレープシティ 八巻氏 … 11/4掲載
この記事も掲載当日以来、コンスタントに高いPVを記録し続けた記事。正直、編集部でもこの記事がこんなに読者の共感を呼ぶとは想像していなかったので、嬉しい驚きである。米国製の帳票コンポーネントを日本で販売するためには罫線機能の強化は欠かせなかった、という八巻氏のコメントに「そうそう!」とうなずいた開発者の声が聞こえてきそうだ。
第3位 【コラム】Yet Another 仕事のツール 第91回 Synergyでキーボード、マウスを共有する … 2005/12/13掲載
4年前の記事にもかかわらず、今年掲載された数多くの記事をさしおいて年間第3位にランクイン。ほぼ毎日、一定のPV数を上げ続け、とくに週末になるとよく読まれた。ネットワーク経由で1セットのキーボード/マウスを共有することができる「Synergy」、クロスプラットフォームでフリーであることも手伝って、今も人気は衰えない。
第4位 【コラム】イマドキのIDE事情 第6回 EclipseでPHP開発! PHP Development Tools … 2007/5/15掲載
こちらも2年以上前の記事にかかわらず、よく読まれた記事。ちなみにPDTについてはバージョン2.0についてこちらの記事で紹介しているが、なぜか古いバージョンを扱った記事のほうが年間通してよく読まれたという…。竹添直樹氏による当コラムは多くの開発者から支持を得ており、毎回高いアクセス数なのだが、今年掲載のどの回よりもこの記事を参照する人が多かったようだ。
第5位 IE8登場もシェア減少 - Firefox3は好調欧州でトップ、日本はIE6増加 … 4/2掲載
ブラウザシェアを扱った記事の中でも、とくにこの記事のPVが高かったのは、おそらく"日本はIE6増加"というフレーズを気に留めた人が多かったからだろう。これ以上、シェアが上がることはないだろうが、決して大きく下がる気配を見せないIE6。Webアプリケーション開発者は、今もIE6での動作確認が必要だという。いったいいつまで現役のままなのだろうか。
第6位 Windows 7 BetaのIE8、不具合の60%はFlashなど外部ツールに起因 … 3/2掲載
Windows 7もIE8もすでに正式リリースされてかなり経った現在からみれば、さすがにかなり古い感じがする記事ではある。ここまで丁寧に作ったIE8にもかかわらず、いまだにIE6からの乗り換えがあまり進まない現状を考えると、ちょっとつらい気がするが…。
第7位 【特集】実践サンプルで学ぶStruts 2 - 生まれ変わった定番フレームワークを徹底解説 … 2007/10/3掲載
現在、Strutsの最新バージョンは2.1.8.1、それより少し古いバージョン(2.1.6)であるが、エンタープライズチャンネルでは6月にハウツー記事を掲載している。だが、1つ前のバージョンであるStruts 2.0を扱った2年前の記事のほうがよく読まれるという、第4位の記事と似たような結果に。3位、4位の記事と共通する点は、週末になると急にPVが増えるというところ。古い記事でも参照してくれる読者が多いのは喜ばしいことなのだが、新しいバージョンの解説記事よりも読まれているというのは少々複雑な心境である……。
第8位 プログラマのためのテキストエディタ18選 … 6/24掲載
開発者の読者が多いエンタープライズチャンネルならではの記事。この記事はグローバルでよく使われているエディタの紹介だったが、日本国内の開発者ならどういうエディタが上がるだろうか。秀丸、WZあたりは外せないところ!?
第9位 【ハウツー】USBメモリを使ってLinuxを起動しよう … 2004/03/26掲載
こちらもずいぶんと昔の記事であるが、いま現在もアクセスが途絶えない記事。使用しているUSBメモリの容量も"入手しやすい64MBや、少し背伸びをして512MB"と時代の流れを感じさせるサイズである。逆に言えば、USBメモリでLinuxを起動することがそんなに珍しくなくなった現在、基本的な事項をコンパクトにまとめた記事がほかにあまり見あたらないことが、高PVの理由のようにも思える。
第10位 エンジン停止の小惑星探査機「はやぶさ」 - 再び地球を目指して運用を再開 … 11/19掲載
エンタープライズチャンネルでは、今年から新たに「サイエンス」カテゴリを追加した。とくに宇宙関連の記事に力を入れてきたが、人気が高かったのは国産の人工衛星やロケット、あるいは日本人宇宙飛行士の話。やはり日本の宇宙開発の行く末が気になるようだ。その中で、最も多くの読者を引きつけた記事がこの「はやぶさ」がふたたび地球をめざすというもの。暗いトピックが多い世相にあって、多くの人に夢を与えてくれた話題である。
以上、エンタープライズの年間トップ10の紹介でした。ちなみに次点は「MS、3台までアップグレードできるWindows 7ファミリー パックを発表」。
全体的な傾向としては、FirefoxやIEなどWebブラウザの最新情報を扱った記事は"高値安定"でPVを稼ぎ出した。また、ベスト10には入らなかったが、iPhone開発に関するハウツー記事も人気が高かった。最近の傾向としては、Windows 7をクライアントとして扱う場合のシステム管理記事への注目度も高い。
年間を通してみると、最新のニュースよりも、多少obsoleteな情報でもある程度まとまったハウツー記事の人気が高いことがわかる。2010年も開発者の皆様に、末永く役立つコンテンツを数多く提供していきたいと思う。