矢野経済研究所は12月17日、2009年度の風力発電システム市場に関する調査結果を発表した。同発表によると、2009年度の国内風力発電システム市場規模は269.6億円、148.9MWの見込みで、2015年度の市場規模は出荷金額ベースで1,096.9億円と2008年度比3.8倍の成長が予測されるという。
2008年度の国内風力発電システム市場規模は出荷金額ベースで前年度比27.6%増の291.6億円、電力容量ベースで前年度比3.3%減の179.6MWだった。これに対し、2009年度は金額ベースで前年度比7.6%減、電力容量ベースで前年度比17.1%減の見込みとなる。
鳩山政権が発表した日本の温室効果ガス排出量を1990年比25%削減とする目標について、国立環境研究所が2009年11月に公表した試算によると、国内のみで温室効果ガス排出量を削減するとした場合、再生可能エネルギーのうち風力発電システムは2020年度までに累積電力容量で1万1,000MWを導入しなければならないとしている。
こうした試算をもとに、鳩山政権が公約として掲げている再生可能エネルギーからの全量固定価格買取制度が2011年度以降に開始されると仮定した場合、国内の風力発電システム市場は2015年度に電力容量ベースで966.5MW(2008年度比の約5.4倍)になると予測されている。
気象条件に左右される風力発電は、発電のリスクを軽減しつつ建設コストを抑制する必要性から、1ヵ所に10本以上設置する集合型風力発電所が増加傾向にあり、主に2MW以上の風車が設置されている。また、小型システムでは1kWが主流で、従来は企業や地方自治体への需要が占めていたが、最近では一般家庭向けに新規需要開拓も行われており、将来の売電を視野に入れた系統連系可能な新製品が登場し始めた。