2009年9月16日付けで事業統合に関する統合基本契約を締結し、協議を進めてきたNECエレクトロニクスとルネサス テクノロジは、12月15日、都内で会見を開催し、2010年4月1日を合併期日予定日とする合併契約を締結したことを発表した。なお、同合併は、統合の当事会社であるNECエレクトロニクスおよびルネサスの株主総会の承認と関係当局の認可などが条件となっている。
合併後はNECエレクトロニクスを存続会社とし、ルネサスと合併。社名は「ルネサス エレクトロニクス」が予定されている。合併スケジュールは、12月15日の合併契約承認取締役会および合併契約締結の後、2010年2月24日に両社の株主総会を開催、承認を経た後、2010年4月1日に合併がなされる予定となっている。
同統合の契約締結に際し、NECエレクトロニクスの代表取締役社長である山口純史氏は、「グローバル企業を目指す意思を示すためのブルーのロゴを選択した」と新会社のイメージカラーを説明する。
また、新会社の事業方針について、ルネサス テクノロジの代表取締役 取締役社長の赤尾泰氏が、「統合シナジー効果を具現化することにより、各種の経営効率を早期に改善する。また、効率化で捻出したリソースを基に、海外事業拡大に注力。グローバルな事業の成長による売り上げ・収益の拡大を目指す」とし、健全なバランスシートで事業を開始し、初年度から営業黒字化、構造改革の完遂による2年目での当期黒字化を掲げ、中期的な営業利益率2桁を目指すとした。
すでに三菱電機、日立製作所、NECへの第3者割当増資などの実行が統合初日までに行われる予定であり、それにより財務状況は健全な状況になるという。
新会社が軸とするのは「マイコン」「システムLSI」「個別半導体(アナログ&パワー)」の3事業。それぞれをキットソリューションとして提供することで、世界の顧客の満足度の向上を狙い、安定した売り上げの拡大を狙っていく計画。
特にマイコンは、コスト低減、ソリューションの提案力、安心・安全といった面について、「両社が個別にあった時に比べ良くなったと(顧客に)言わせたい」(赤尾氏)としており、先端技術やサポート力の向上を図っていくことで、マイコン中心に各事業のシナジー効果を生み出していくことを狙う。
中でもグリーンエコノミー分野の海外売上拡大に期待しているほか、振興国市場向けのマーケティングと製品開発強化を進めることで将来的には国内外比率を現状(2008年度)の56:44(国内:海外)から40:60程度にする思惑を有している。
こうした目標に向け、「統合100日以内に新会社の方針を"具体化"するために専任チームで強化分野の"仕分け"を実施し、改革をトップダウンで推進することで、固定費の削減と成長市場での事業拡大を円滑に進める」(赤尾氏)ことで、よりグローバルな市場での成長が見込める強い会社へと変貌を遂げ、「顧客価値の向上を通じた企業価値向上を図っていく」(同)ことが可能になるとした。
また、併せて事業統合にともなう国内子会社の社名変更も発表された。こちらも2010年4月1日付けでの商号変更が予定されており、それぞれの変更名は下記のとおり。
現社名 | 新社名 |
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NECセミコンダクターズ山形 NEC Semiconductors Yamagata |
ルネサス山形セミコンダクタ Renesas Yamagata Semiconductor |
NECセミコンダクターズ関西 NEC Semiconductors Kansai |
ルネサス関西セミコンダクタ Renesas Kansai Semiconductor |
NECセミコンダクターズ九州・山口 NEC Semiconductors Kyushu Yamaguchi |
ルネサス セミコンダクタ九州・山口 Renesas Semiconductor Kyushu Yamaguchi |
NECマイクロシステム NEC Micro Systems |
ルネサス マイクロシステム Renesas Micro Systems |