ビーブレイクシステムズは12月10日、システム業界における景気動向をまとめたレポートを発表した。同社は自社で手がけたシステム案件などをもとに現場の目線で分析したシステム業界の景気動向を定期的に発信している。

システム業界では12月から3月の時期はシステム開発案件の繁忙期と言われており、契約自体も3月末までとなっているのが一般的である。しかし同社は今年の傾向について、12月に入って案件数は増加しているが、契約期間が1~2ヵ月単位で行われていることがこれまでと異なると指摘している。

その要因は、プロジェクト自体は3月末を期限としながらも、ここ1年でプロジェクト進行中に中断や予算圧縮などが頻発していることから、現在進行している3月末までのプロジェクトについても同様のことが起こることを想定して流動的に対応ができるよう、契約期間を短めにしているのではないかと分析されている。

また、システム導入を検討している企業では、導入ベンダーの選考期間の長期化がより鮮明になっている。業務管理システムの導入を検討しているある企業で、複数ベンダーによる最終プレゼンが終了して導入システムを決定する予定だったが、提案されたシステムから再度3社に絞り込んで検討を重ねることにしたという。同様の話をいろいろなところで聞くことから、ユーザー企業はシステム導入により慎重になっていると、同社では見ている。

エンジニアの求人状況については、11月から増えていた詳細設計以降の案件が12月に入っても増加しているが、エンジニアの単価は変わらず昨年比2割減だという。特に厳しい状況にあるエントリーレベルのエンジニアの案件はほとんどなく、案件があったとしてもシステム移行などの際のデータ入力作業などが中心となっており、単価はこれまでの半額以下まで落ち込んでいる模様。