シード・プランニングは12月10日、宇宙関連ビジネスの日本・海外の現状把握、国内の宇宙関連技術の市場と有望性分析を行った市場調査レポート「宇宙関連ビジネスの波及効果と有望市場」を発刊し、そのポイントを発表した。

同社では、2007年8月に「地理空間情報活用推進基本法」が、また、2008年8月に「宇宙基本法」が施行されたことで、日本の宇宙開発利用は研究開発主導から商業利活用へと大きく転換したとしている。

国内宇宙関連産業の市場規模は、ロケット、衛星、宇宙ステーションなどを製造する「宇宙機器産業」が約2,300億円、通信衛星、衛星リモートセンシング、衛星測位、宇宙環境利用などの「宇宙インフラ利用したサービス(スカパーJSAT、日本スペースイメージング、日立ソフトウェア、パスコなど)」が約6,900億円、カーナビ、衛星放送受信装置、GPS機能付き携帯電話サービス、宇宙関連民生機器、産業別各種サービスなどの「宇宙関連ビジネス利用ユーザー産業」が約5兆円、計約6兆円となっている。

2008年の宇宙機器産業市場を世界で比較してみると、日本は2,300億円だったのに対し、米国が3兆8,000億円、欧州が8,700億円だった。同社によると、米国、欧州に比べて、日本は官需の割合が多いという。

今後の有望分野としては、「超小型衛星の開発」、「高性能センサーによる衛星リモートセンシング」、「地理空間情報関連のビジネス」、「宇宙輸送機・HTV」、「宇宙旅行ビジネス」が挙げられている。

ISSに接近するHTV技術実証機 写真:JAXA