東京商工リサーチは12月9日、東京証券取引所や各証券取引所に上場する企業のうち、2009年に希望・早期退職者募集の実施を開示し、具体的な内容が確認できたケースを抽出し、募集状況をまとめた結果を発表した。

同調査では、会社事情による時限的な希望退職者募集のほか、早期退職優遇制度の適用年齢引き下げ、退職金の特別割増措置など、既存制度の拡充募集も含んでいる。

希望・早期退職者募集の実施を開示した主な上場企業は、具体内容が確認できたもので186社(募集後に法的手続を申し立てた3社、情報開示後に上場廃止した7社を含む)に達した。開示ベースの調査のため単純比較は難しいが、2008年の情報開示企業68社と比べて2.7倍となり増加が著しい。

募集人数の合計は、184社合計で2万2,713人(前年8,979人)に上った。募集人数が2万人を上回ったのは、デフレが進行し、金融機関の不良債権処理が加速した2002年の3万9,732人以来7年ぶりだという。

募集人数が最も多かった企業は、アイフルとパイオニア(グループ会社含む)の各1,300人。これに、メディパルホールディングス(グループ会社含む)の1,000人、三洋電機の845人(応募)、セディナとUSEN(グループ会社含む)の各600人、アコムの550人が続く。

産業別で最も多かったのは、電気機器の27社だ。次いで、卸売が23社、機械が21社、サービスが17社、不動産が13社となっている。特別退職金などの割増金支出による特別損失額は、開示した138社合計で835億6,900万円となり、特別損失額10億円以上は16社に上った。