日本オラクルは12月8日、ヘテロジニアスな環境においても統合的なデータ活用を実現する事前定義済み分析アプリケーション「Oracle Business Intelligence Applications(以下、Oralce BI Applications)」の提供を開始した。業務/業種に即したベストプラクティスに基づいた豊富なテンプレートがあらかじめ用意されており、迅速なシステム構築が可能になる。
Oracle BI Applicationsは「CRM Analytics」と「ERP Analytics」の2つの製品群から構成される。大きな特徴としては、
- 最適化されたデータウェアハウスのデータモデルを定義
- アプリケーションの差異を吸収するETL基盤
- 一元管理されるメタデータ構造
- 業務の役割に即した業績評価指標とダッシュボード
が挙げられる。とくに、Oracle EBS、Siebel、PeopleSoft、JD Edwardsといったオラクルの業務アプリケーションだけでなく、SAPやその他のカスタマイズドアプリケーションに対しても、システムを横断したシームレスな分析が可能になり、必要なデータがすべて可視化される点が大きい。業務アプリケーションデータだけでなく、Webアプリケーションなどから得られた外部情報の仮想統合も容易に行える。日本オラクル Fusion Middleware統括本部 シニアマネージャ 瀬尾直仁氏は「多くの企業では、いまも部門ごとに異なるシステムが使われており、一貫した分析→アクションを行うことがむずかしい。各CRM/ERPごとの最適化だけが図られた状態では、オペレーショナルエクセレンスは達成できても、マネジメントエクセレンスの実現はきびしい」と語り、データを統合し、1つのビューで分析する重要性を強調する。
また、グローバルにビジネスを展開するオラクルならではの特徴として、数多くの業務/業種における導入事例から得られたベストプラクティス - データ収集定義から分析ロジックまで - を事前定義済みのテンプレートとして利用できる。
Oracle BI Applicationsに含まれる製品は以下の通り。
CRM Analytics
- Oracle Financial Analytics: 企業の収益性とキャッシュフローの最大化を支援
- Oracle Project Analytics: プロジェクトの収益性改善と運営の健全性維持を支援
- Oracle Procurement and Spend Analytics: SCMにおける最適な意思決定を支援
- Oracle Human Resources Analytics: 従業員情報から企業の業績向上と従業員維持を支援
- Oracle Supply chain and Order Management Analytics: 受注処理の効率化と売上げ回収のプロセス最適化を支援
ERP Analytics
- Oracle Sales Analytics: 営業プロセスの最適化を支援
- Oracle Marketing Analytics: マーケティングプロセスの改善を支援
- Oracle Service Analytics: サービスレベルや顧客満足度の改善を支援
- Oracle Contact Center Telephony Analytics: コールセンターでのサービス向上を支援
- Oracle Loyalty Analytics: ロイヤリティプログラムのプロセス改善を支援