ノークリサーチは12月8日、国内PCサーバについて、2009年度上期の出荷状況および同年度年度全体の予測を発表した。同発表によると、同期の国内PCサーバ市場は台数が対前年比15.8%減、金額が14.6%減となったという。

台数は22万5,671台の15.8%減、と大幅な減少となった。同社では、景気低迷が国内PCサーバ市場に影響を与えたが、ネット系企業におけるサーバ需要は堅調でここ数年間高成長を維持しているほか、医療分野・金融業の需要は比較的堅調としている。

金額については、タワー型の低価格モデルから高機能モデルやラック型へのシフトが進み、平均単価は下げ止まりの傾向となった。また、台数に比べて減少幅は軽微で、対前年比85.6%で1,231億円となっている。

国内PCサーバ総出荷台数推移/予測(97年度~08年度実績、09年度下期予測) 資料:ノークリサーチ

ベンダー別に見ると、台数・金額ともにトップはNECとなった。台数は前年同期比に対して1.2ポイント上げて、26.9%のシェアを確保したが、前年比に対しては88.2%とダウンしている。

2位につけたのは日本ヒューレット・パッカードだ。同社はラック型とブレード型は上期もトップシェアだが、全体のシェアは22.2%と、NECに差をつけられた。上期前半に価格訴求のキャンペーンなどを手控えたこともあり、台数が落ち込み、実績は81.1%と前年を大きく下回った。

富士通がシェア18.1%で、デルを抜いて3位に浮上した。同社は対前年比103.2%の実績を残し、唯一プラス成長になった。ノークリサーチでは、富士通の取り組みの中で特に目立ったのは、全社一丸となったサーバの販売体制の強化、製品の品揃えと価格の相場感への対応とコメントしている。加えて、低価格サーバやチャネル見直しなどで、中堅・中小企業への深耕を展開しているほか、官公庁への大口案件も実績を伸ばした要因にもなっているという。

09年度上期 PCサーバメーカシェア 資料:ノークリサーチ

下期については、需要が戻る兆しを見せ始めているが、低価格サーバで台数を増やすよりも高機能サーバで台数を減らす方向に需要はシフトしつつあるという。また、一般企業におけるサーバ需要は、デフレ経済環境での投資意欲の減退が新規需要に影響を与えているうえ、統合・集約、仮想化、SaaS、クラウドによるサービス化などの趨勢が、一般企業におけるサーバ購入の動きを抑制する要因となっていると、ノークリサーチでは分析している。