ローム子会社のOKIセミコンダクタは、多セル直列構成のリチウムイオンバッテリパックを搭載するシステム向けに、制御、監視、保護の全機能を提供するチップセット「MK5207」の開発を完了、12月より量産出荷を開始することを発表した。

同チップセットは、OKIセミコンダクタ、天津南大強芯半導体芯片設計、および博通テクノロジーの3社が共同開発したもので、充電時におけるセルバランス、過充電/過放電検出、ショート検出などの機能を備えたバッテリパック保護システムを容易に構築することが可能だ。内蔵フラッシュメモリに過充電/過放電検出電圧などのパラメータを格納することができるため、カスタマニーズに応じたさまざまなシステムに適用することが可能である。

また同チップセットでは、制御プログラムコードを内蔵フラッシュメモリに格納するため、外付けメモリは不要となっている。

監視用アナログフロントエンドIC「ML5207」およびコントローラIC「ML5227」の2チップで構成。それぞれ80V 高耐圧プロセスを採用し、多セル直列構成(5~13セル)のリチウムイオンバッテリパックに対応する。

監視用アナログフロントエンドIC「ML5207」

また、各セルに対して検出精度±35mV @Ta=25℃の過充電・過放電電圧検出機能を搭載しているほか、各セルに対してバイパス回路を設け、充電時に高精度なセルバランス機能を実現している。加えて、異常時のシステム保護機能を搭載したことで、安全に対する冗長性を確保している。

なお、同社では、今後、産業機器、民生機器用途を始めとして車載用途まで多セル直列構成のリチウムイオンバッテリパックの充放電制御IC商品のラインアップの拡充を図っていく計画としている。