文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS 協会)は、「第13回文化庁メディア芸術祭」の受賞作品発表会を行った。
大賞作品は既報の通りだが、同発表会には、審査員の代表として、アート部門の審査を行った情報科学芸術大学院大学学長の関口敦仁氏とマンガ部門の審査を行った東京工芸大学准教授の細萱敦氏が出席。今回初めて審査に参加した、関口氏は「今回の審査では、アートという分野で、メディアをどう解釈するかという点に着目しました。身の周りにある新しい技術をどれだけ新しい使い方、新しい見え方として提示できるかということが一番重要だと考え、そういう点について意欲的に取り組んだ作品に対し、高い評価をつけました」と語った。また同様に初めて審査を行った、細萱氏は「各審査員の先生方のなかで色々な審査のポイントがありましたが、まずエンターテインメントとして大衆性や革新性などのバランスがとれているかということを重要視しました。また、マンガ家の方も審査員に含まれていますので、技術力や、メッセージ性などもチェックしています。そのほか、今まで誰もやったことないことに挑んだという点なども大事だと考え、選考を行いました」とコメントした。
そのほか、大賞を受賞した映画『サマーウォーズ』の細田守監督や、漫画『ヴィンランド・サガ』の作者・幸村誠氏も登場し、受賞の喜びを語った。アニメーション部門で大賞を受賞した細田監督は、「今の日本アニメーション業界で、オリジナル脚本の映画を製作できるチャンスはなかなかないことだと思います。そんな状況下で、映画としての面白さを向上させるためにあえてオリジナル脚本に挑んだことを評価していただき、非常にありがたいなと思っています」と受賞の喜びを語った。またマンガ部門で大賞を獲得した幸村氏は「この作品は外国の歴史を扱った作品なので、執筆にするにあたり、外国に取材に行かないことには話にならないということで、キングサイズのスーツケースを持って取材に行きました。現地で資料になるものをたくさん積め込んだ結果、帰国時にはスーツケースが20キロ以上の重さになっていました」と資料集めの苦労を語った。
文化庁メディア芸術祭受賞作品より(一部抜粋)
アート部門優秀賞 |
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『Braun Tube Jazz Band』 |
『Mr. Lee Experiment』 |
アニメーション部門優秀賞 |
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『屋根裏のポムネンカ』 |
『東京マグニチュード8.0』 |
『電信柱エレミの恋』 |