マイクロソフトは11月30日、都内ホテルで「Microsoft SharePoint Conference 2009 Japan」を開催。SharePoint 2010の新機能を披露した。そして、午前中には、インフォメーションワーカービジネス本部 業務執行役員 本部長 横井伸好氏が「SharePoint 2010 企業およびWebの生産性を革新するビジネスコラボレーションプラットフォーム」と題して、基調講演を行った。
横井氏は、現在のユーザーの課題として「人と人をつないで組織力を強化」「インフラ統合によるコスト削減」「現場ニーズへの迅速な対応」の3つを挙げ、SharePoint 2010でこれらの課題を解決できるとした。また、「もっとも早いペースで成長しているのが SharePoint」と語るとともに、調査会社であるガートナーが、SharePointがカバーするMagic Quadrantの5つの分野で「Leaders」に位置付けられて点と合わせ、SharePointの優位性を強調した。
「人と人をつないで組織力を強化」という点においては、SharePoint 2010でOffice 2007でも採用されているリボンインタフェースが搭載されるほか、会社のなかのソーシャルネットワークを実現する機能、Officeデスクトップとの連携機能などが強化される。
ソーシャルネットワークに関する点では、タグクラウドやWebパーツの貼り付けにも新たに対応する。また、ページ内でのビデオの閲覧、タグクラウドの採用、コミュニケーションサーバとの連携による在席情報の表示などが実現される。
また、個人用サイトでブログを公開できるほか、チーム内の共有ドキュメントの変更履歴やコメントをトラッキングして表示する機能も実現されるという。
Officeとの連携では、Excel ServicesというExcelデータをHTMLにレンダリングする機能が強化され、ブラウザ上でこれらのデータを編集する機能が追加されるという。
「インフラ統合によるコスト削減」では、サーバの稼働状況のチェックできる「ヘルスモニタリング」、過去のバージョンからのアップグレードによる互換性をチェックする「アップグレードアドバイザー」、UIのデザインを2007のまま利用できる「ビジュアルアップグレード」などが提供される。
横井氏は、SharePointはポータル、ソーシャルネットワーク、コンテンツ管理、検索、可視化と分析、柔軟性と拡張性という6つの機能が1つのサーバで実現できるためコスト削減が可能で、クラウドとオンプレミスでシームレスに連携できるのは、マイクロソフトの製品だけだと、同社の優位性を強調した。
「現場ニーズへの迅速な対応」では、Visual Studio 2010によるSharePointの拡張、SharePoint Designer 2010によるノンコーディングによる開発、フロントエンドとしてのInfoPathやVisioの利用、Business Connectivity Servicesにより、バックエンドのERPとのデータのやり取りも実現されるという。
SharePoint 2010はOffice 2010とともに来年前半のリリースが予定されている。Officeはこれまでは、リッチクライアント向け製品だけを提供していたが、Office 2010ではブラウザで動くものや、携帯向けの製品も提供し、いつでも、どこでもアクセスできる環境も提供していくという。搭載する機能については、それぞれ異なる予定だが、具体的な内容については未定だという。
なお、Office 2010日本語ベータについては、11月19日から提供されているが、横井氏は、品質的にはかなり高く、RCに近いものと話している。