PCメーカーやソフトメーカー、周辺機器メーカーなど95社が参加するウィンドウズ デジタル ライフスタイルコンソーシアム(WDLC)は、2009年11月25日-2010年3月31日まで、年末商戦および春商戦向けの共同キャンペーンとして、「HERO★DADDY(ヒーロー・ダディ)キャンペーン」を実施する。

HERO★DADDY (ヒーロー・ダディ)キャンペーン

WDLCでは、2008年5月からパソコンによるテレビ視聴などを提案する「PC deTVキャンペーン」を実施したのを皮切りに、2008年9月からは、デジカメで撮影した写真を共有する提案などを行う「PC de旅キャンペーン」を、2009年4月からは携帯電話との連動を通じて、F1層に対するPCをはじめとするデジタル機器の購入意欲を喚起する「アイ.ハコブ」プロジェクトを実施。

放送局や出版社をはじめとするコンテンツホルダー、量販店など、業界の枠を越えた共同キャンペーンを展開し、PCを活用したデジタルライフスタイルの提案を行ってきた。「アイ.ハコブ」プロジェクトでは、30万人の購入意向喚起目標に対して、33万人の購入意向を喚起できたとしている。

今回の「HERO★DADDYキャンペーン」では、デジタルの力で父親をヒーローにするキャンペーンとして、仕事が忙しく、家族とのコミュニケーションが取れていないという父親が、最新PCや周辺機器、サービスを活用することで、頼りがいがある家族のヒーローになるというシナリオを提案。

最新のハードやソフトを利用して子供の写真をよりきれいに残したり、タッチ機能といった新機能を使って簡単に写真加工を行うといった使い方提案のほか、子供の写真をスライドビデオに加工したり、さらにはビデオ映像の編集、ホームネットワーク機能を利用した映像の共有化などを通じた利用提案を行う。

キャンペーンの概要

WDLC事務局長の笠原健司氏(マイクロソフトコンシューマー&オンラインマーケティング統括本部コンシューマーパートナー本部長)

「主に小学生以下の子供を持つ30-40代の約700万人のお父さんを対象とする」(WDLC事務局長の笠原健司氏=マイクロソフトコンシューマー&オンラインマーケティング統括本部コンシューマーパートナー本部長)としている。

デジカメやビデオの所有者が30-59歳が最も多いこと、デジカメやビデオで撮影する被写体としては子供が多いことに着眼。年賀状作成による画像編集や、進入学シーズンにあわせてビデオ撮影が増加するといった季節的要素を取り入れて、父親が活躍できる具体的な利用提案を行い、同時に父親向けのHowtoコンテンツの提供や、製品情報の提案を行う。

参加企業の1社であるワコムの宝園孝彦氏(左)は、タブレットである「BambooFun」を使ったマルチタッチによって年賀状づくりが手軽になることを訴求

エプソン販売の鈴村文徳氏(右)はカラリオシリーズを利用して、ドラえもんをキャラクターにした年賀状の簡単に作成、印刷できるとした

同キャンペーンには、WDLC加盟企業のうち26社が参加。キャンペーン途中の参加企業も見込まれるため、「最終的には30社を超えるのではないか」(笠原事務局長)としている。

今回から新たに郵便事業株式会社がWDLCに加盟し、日本郵便が提供する年賀特設サイト「郵便年賀.jp」との連動も図る。

郵便事業株式会社事業統括本部郵便事業部商品開発担当の西村哲氏

郵便事業株式会社事業統括本部郵便事業部商品開発担当の西村哲氏は、「郵便年賀.jp は2年前から開設し、ページビューは、初年度1億、2年目1億3000と増加している。『あけおめメール』などのデジタルでの挨拶も増えているが、リアルで受け取る年賀状のうれしさは、どの年齢層にも共通したもの。年賀状を作成するという観点から、デジタルライフのなかにおいても、年賀状というアナログな媒体が立てる位置があると考えた」と、WDLCへの参加理由を語る。

郵便年賀.jpでは、1000種類以上のテンプレートを無料で利用できる年賀状クイックサーチや、テンプレートにオリジナルメッセージの追加や宛名管理機能を提供するはがきデザインキットに加え、今年から子供の声を約20秒間録音し、これをQRコードで発行。携帯電話で読みとれば声を聞ける「サウンド年賀」を用意。「この機能を利用して、有名人のプレミアム音声も提供する」などとした。

デジカメやビデオの所有者が30~59歳が最も多く、デジカメやビデオで撮影する被写体としては子供が多い

期間中の目標は、8億5000万のインプレッションを獲得し認知を高め、キャンペーンサイトやタイアップメディアを通じた各シナリオ訴求コンテンツの視聴者数などでは75万ユニークユーザーを獲得。シナリオ訴求コンテンツの視聴者の約35%となる26万ユニークユーザーにおいて、PCおよび関連製品、サービスの購入利用意向創出を狙い、製品の購入へとつなげる考えだ。

また、今回のキャンペーンでは、ドラえもんをキャラクターに採用。さらにサービスとして、感動年賀状メーカーを提供し、あらかじめ用意されたドラえもんのキャラクター入りテンプレートから好きなものを選んで、ユーザーが持つ写真をアップロードすることで、簡単に合成した画像入り年賀状を作成できるようにする。

ドラえもんをキャラクターに採用した感動年賀状メーカー

さらに、量販店店頭で使用するPOPや各社サイトにおいても、WDLC参加企業は、ドラエもんのキャラクターを利用することが可能で、HERO★DADDYのロゴを入れること、各社の製品を中心とした露出ではないといったルールを守れば、柔軟に利用できるという。

エプソンの店頭用POP。参加企業は申請して、許諾を得るとドラえもんのキャラクターをPOPに利用できる

これらは、2010年3月から公開予定のアニメ映画「ドラえもん・のび太の人魚大作戦」とのタイアップ企画となっている。

WDLC会長である堂山昌司氏(マイクロソフト代表執行役副社長)

WDLC会長である堂山昌司氏(マイクロソフト代表執行役副社長)は、「2011年度には国内のPC市場を年間1000万台に拡大したいと考えている。今年度は700万台前後の出荷を見込んでいる。WDLCのシナリオベースのマーケティングは、消費者視点での提案であり、時間はかかるが徐々に効いてくるだろう。マイクロソフトは、新OSの発売に山を持っていき、そのあとはなにもしないという会社だったが、Windows 7発売以降も顧客を増やすための努力を継続的に行っていく。タッチスクリーンの訴求や、周辺機器、ソフト、サービスを含めた提案によって、来年に向けて業界全体を盛り上げたい」と語った。

HERO★DADDYキャンペーンによる目標値