NTTデータは11月27日、「グリーンデータセンタ」における省エネの新たな取り組みとして、NTTファシリティーズおよびNTTデータ先端技術と共同で、1月29日よりNTTデータの都内データセンターにて開始した、高電圧直流給電システムの実証実験が10月30日に完了したことを発表した。

グリーンデータセンタとは、NTTデータの中期経営方針の重点施策「環境志向経営」の取り組みの1つで、同社の技術・ノウハウ・実績に基づくデータセンターの省エネや最適化に向けたIT設置環境の測定・評価・改善・管理を行うサービス、そのサービスから生み出された成果物の総称のこと。

同実証実験では、データセンターにおける給電システムの消費電力を最大20%削減することを目標として取り組んだ結果、電源・空調システム、IT機器の合計で最大18%程度の削減効果を検証した。また、NTTデータの稼働中の社内システムに高電圧直流給電システムを試験適用することで、信頼性、安全性に関する高い検証結果が得られた。

今回利用された高電圧直流給電システムとは、従来、商用電源を交流で受電した後、無停電電源装置で2回、IT機器内で1回、合計3回行っていた交流と直流の変換を1回に抑え、機器に直接直流を供給する電源システム。

同システムにより交流と直流の変換エネルギー損失を削減することが可能になる。また、直流48V方式に比べ、給電ケーブルを細くして給電効率の改善が実現される。

高電圧直流給電システムの仕組み

NTTグループは今後、今回の実証実験を含め、国内外のハードウェアベンダー、サプライヤー各社と協力をしながら、2010年度までに地球温暖化防止活動の一環として、省エネに貢献できる高電圧直流給電システムの本格導入開始を目指す。