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MicrosoftはIE9でDirect2Dの採用を計画している。Direct2Dは2DグラフィックやベクタグラフィックのレンダリングにGPUの計算リソースを活用するというもので、従来のAPIを使う場合と比べて大幅な性能の改善が期待できる。
Direct2Dを利用する取り組みはFirefoxでも行われている。Bas Schouten氏は22日(オランダ時間)、Firefox 3.7開発版に対してDirect2Dの機能を取り込んだバージョンを公開した。Bas Schouten氏の報告によればレンダリング時間はほとんどのケースで改善されるという。
Bas Schouten氏はCairoのバックエンドとしてDirect2Dを活用する機能を実装。Cairoはプラットフォームに依存しないベクタグラフィックレンダリングAPI。プラットフォームごとにバックエンドが用意され、そのプラットフォームに適したレンダリングが実施される。CairoのバックエンドとしてDirect2Dを使うことで一気にDirect2Dの恩恵を受けることができる。
Webサイトレンダリング比較 - Direct2D: Hardware Rendering a Browserより抜粋 |
CRPI 2.2スコア比較 - Will Firefox beat IE9 to Direct2D rendering?より抜粋 |
報告されている内容によれば、TwitterやFacebook、Googleなどの静的なコンテンツにおける性能改善が著しい。また動的なサイトであっても改善が見られており、Direct2Dの活用がレンダリングの高速化という面で有効な方向性であることを示唆している。
ただし、この取り組みについては懐疑的な意見もある。Webブラウザの性能評価を実施しているBetanewsではWill Firefox beat IE9 to Direct2D rendering?において、Direct2Dの活用は逆にCRPI 2.2スコアでは悪い値が出ていることを伝えている。レンダリング性能の改善が逆にCRPI 2.2スコアの悪化につながっているということのようだ。Bas Schouten氏から公開されたDirect2D対応版のFirefox 3.7開発版はあくまでも開発版という位置づけ。Direct2Dの活用が全体の性能改善につながるかどうかは今後の取り組みが必要といえるようだ。