インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は11月26日、東芝、日本軽金属グループのエヌ・エル・エム・エカル、能美防災、河村電器産業と、環境配慮型データセンター構築に向けた実証実験を実施すると発表した。

同実証実験では、冷却システムに外気を直接利用する方式を採用したモジュール型エコ・データセンターを構築し、2010年2月から1年間の運用を通じて商用化に向けた検証を行う。年間を通じて外気冷却を使うコンテナユニットによるデータセンターの構築、日本国内では初めてとなる。

同実証実験で開発する外気冷却コンテナユニットによって、「ファシリティコストの削減 」、「建設期間の短縮」、「サーバの高密度実装による効率化」、「電力利用効率の最大化」といった効果が期待される。

通年で外気冷却を利用することで空調設備コストを削減、また、コンテナユニットを採用することで建屋コストを削減することで、従来型データセンターに比べファシリティコストの40%削減を目指す。

現在の一般的なデータセンターでは、ラック単位で利用可能な電力量を3KVA程度に抑え、熱問題が発生することを回避している。今回開発する外気冷却コンテナユニットでは、1ラック当り10KVAの電力を利用可能にする冷却能力を備えているため、従来型データセンターに比べてIT機器の実装密度を約3倍にすることができる。

データセンターの電力利用効率を示す指標としてPUE値があるが、現在の一般的なデータセンターのPUEは2程度とされている。同実証実験サイトでは、外気を活用することで空調設備の省電力化を図り、PUE 1.2以下を目指す。

IIJは今後、同実証実験と並行して商用化の検討を進め、2010年4月には商用システムの構築を開始し、2011年3月にはサーバ4,000台規模のデータセンターとして稼働させることを計画している。

モジュール型エコ・データセンターのイメージ図