SNSに掲載されていた写真が理由で、鬱病による休業手当の打ち切りを受けたカナダ人女性のニュースが話題になっている。鬱病の診断を受けて18カ月前に病気療養を理由にした休業に入っていたものの、女性がSNSのFacebookに掲載していたバケーション中の写真が理由で、保険会社に休業手当の支給打ち切りを宣告されたという。現在女性は保険会社を相手取って支払い再開の交渉を続けている。カナダのCBC Newsが11月21日(現地時間)に伝えている。

報道によれば、今回問題となったのはカナダのケベック州在住のNathalie Blanchardという29歳の女性。同州ブロモントにあるIBMのオフィスに勤務していたが、1年半前に"深刻な鬱病"と診断され、病気療養を理由に休業している。以後は同氏が契約していた保険会社であるManulifeから病気治療を名目に毎月の支払いを受けていたが、Manulifeは先日、「Facebookに掲載されていた写真から働ける状態にあると判断した」との通告とともに手当支給の打ち切りを宣告してきたという。だがBlanchard氏によれば、こうしたFacebookに掲載されたバケーション中の写真の数々は「医者のアドバイスで"極力楽しい状態にあること"」を実践した結果だと主張する。また同氏の弁護士も「Facebookの投稿で精神面まで判断するのは間違っている」と主張している。同氏へのインタビューはITN NewsがYouTubeでその模様を公開している。


一方のManulife側はCBCの取材に対して今回の件に対するコメントは控えたものの、同社の声明として「FacebookのようなWebサイトの情報だけを基準に打ち切りなどの決定を行うことはない」とした文を加えている。CBCではManulifeが判断にあたってFacebookをある程度参考にしたことが判明したと報じている。またCanadian Life and Health Insurance Association (CLHIA)も「いかなる場所の情報ソースであっても、われわれが無視することはない」としており、FacebookのようなSNSが判断基準の1つになっていることが確認できたという。

同ニュースに対する反応はさまざまだ。例えばCBC Newsに掲載された同ニュースに対するユーザーのコメントの一部を抜粋すると「Facebookへの写真掲載は個人のアルバムをテーブルで広げているのとは意味が違う」「私だったらこのようなことはしない」「こういうリスクが怖かったら使わなければいいだけ」「私がFacebookアカウントを取得しない理由がわかるだろうか」といったように、インターネットで情報がオープンになっているリスクを警告するものが多く見受けられる。また一方で便利なツールも使い方しだいという声も多い。日本でのmixiや携帯サイトと事情は似たものだと思うが、皆さんはこの件についてどう考えるだろうか?