コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は19日、ビジネスソフトの海賊版を販売したとして、すでに著作権侵害の罪などで実刑判決を受けた男に対し、同協会の会員社であるオートデスク、ジャストシステム、マイクロソフトの3社が損害賠償を求め通知したと発表した。
2008年11月の山形地裁の判決文などによると、男は主犯として、他の2人の共犯者とともに、2007年1月ごろから「エムズナルド」や「ジャパネットおかま」などと名付けた複数の自作ホームページなどを悪用し、ビジネスソフトの海賊版を販売。2008年6月に逮捕されるまでに、3万件以上の海賊版販売を行ったという。
ACCSによると、男らは、これらの海賊版販売行為を通じ、米オートデスクが著作権を有する「AutoCAD2008」を236本、ジャストシステムが著作権を有する「一太郎 2008」を86本、米マイクロソフトが著作権を有する「Microsoft Windows XP Professional SP-2対応版」を1,206本、「Microsoft Windows Vista Ultimate 日本語版」を1,677本、「Microsoft Office Professional 2003」を455本、それぞれ無許諾で複製して販売していたことが明らかになっている。
山形地裁は、これらの海賊版販売行為について、「組織性の著しく高い、職業的、営業的、常習的犯行であってその犯行態様は著しく悪質である」として、男に対し、2008年11月17日に、懲役2年、罰金500万円の実刑判決を言い渡した(2008年12月2日に確定)。
今回、オートデスク、ジャストシステム、マイクロソフトの3社は、判決で確定したこれらの被害事実に基づき、男に対して損害賠償を請求する通知を行った。
なおACCSによると、男は2006年10月にも、同様の手口による海賊版販売の疑いで警視庁に逮捕されている。「ジャパネットおかま」などを悪用した海賊版販売が摘発された時期は、2006年12月に東京地裁より言い渡された刑(懲役1年)の執行猶予期間中だったという。