いま学生たちがIT企業に求めるものは、就職支援──。そんなストレートなニーズに対して、マイクロソフトは18日、『Microsoft 学生就職応援プログラム』の提供を開始した。インターンシップ斡旋をメインに、学生の活動内容に応じた就職準備支援を実施していく。

Microsoft 学生就職応援プログラムが提供するものは?

学生就職応援プログラムは、同社が全世界で展開する「Microsoft Student Partners(MSP)」への参加者を対象に提供される。支援内容は、インターンシップ斡旋やアカデミックパック製品の無償提供など。マイクロソフトによる無条件サポートではなく、MSPとしての活動レベルに応じた支援を提供するという仕組みだ。

MSPレベルは、「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」とあり、同社が定める活動内容──セミナー・勉強会の開催、同社テクノロジに関連した制作活動、Imagine Cupへの参加など──を実践、その報告レポートを提出することでステップアップする。インターンシップを希望する場合もMSPレベルによって応募先が異なり、たとえば、最上位の「Platinum」の場合、マイクロソフトやマイクロソフト イノベーションセンター(東京・大手町)でのインターンシップに応募することが可能だ。

MSPレベルと特典

今回、インターンシッププログラムには、マイクロソフト以外に、Microsoft Innovation Award受賞企業などを含む、同社パートナー企業11社(NEC/ NECラーニング/ 三三/ ジースポート/ チェプロ/ Lunascape/ ネットディメンション/ マジックチューブ/ BCN/ ワンビ/ 岐阜イノベーションセンター)が参加している。また、インターンシップ事業を展開するデジットの協力も得て、パートナー企業に限らず、多様な業種を紹介できる体制を整備した。営業/マーケティングやクリエイティブなどの職種も用意されている。インターンシップは春期・夏期休暇に実施、年間受け入れ人数は、マイクロソフトおよびパートナー企業でそれぞれ10名、その他企業で50名を予定している。

インターンシップ受け入れ企業

MSPには、コミュニティサイト「大学生 SNS.com」に参加することで登録できる。現在、110大学以上、500名を超える学生が活動中だ。MSP参加学生には、インターンシップ斡旋だけでなく、開発ツールを無償提供する「Microsoft DreamSpark」の利用、資格試験の学習ツールや学生向けのMicrosoft Officeテンプレートなども提供される。

大学生 SNS.com

「応用力」の要請が狙い

加冶佐俊一 マイクロソフト 業務執行役員 最高技術責任者(CTO)

同日開催された説明会で加冶佐俊一CTOは、学生就職応援プログラムの狙いを「応用力を身につけてもらう」ことと説明した。マイクロソフトはこれまで、DreamSparkのほか、同社社員による講演企画「オンキャンパスイベント」、国際ITコンテスト「Imagine Cup」を通じて、学生が技術や知識を習得する機会を提供してきた。しかし、IT企業の新卒採用枠が減少する中、従来のプログラムのみで、高まる"就職支援"へのニーズに対応することは難しいと判断。企業側が求める「応用力」を身につけるプログラムが必要とし、学生就職応援プログラムを立ち上げた。MSPとしての活動を通した学生主体のアクションや交流、インターンシップによる就業体験によって、個人スキルをさらに応用するチカラを身につけてもらうことが狙いだ。

同社はまた、学生就職応援プログラムの一環として、就職関連情報などへのアクセスを容易にする"学生向けInternet Explorer 8"を提供することも発表した。

説明会には、インターンシップ受け入れ先企業各社も出席。過去にImagine Cup出場の経験を持つ近藤秀和 Lunascape 代表取締役兼CEOは、自分の進みたい道を探るうえでも、インターンシップは重要になると説明した

同日、MSP学生によるオフ会が開催。Imagine Cup入賞者の高橋直大さんや寺田志織さんも参加していた