日本レコード協会は18日、10月1日から実施中のキャンペーン『守ろう大切な音楽を♪』に関する説明会を開催した。2010年1月1日に施行される著作権改正法の周知などを目的としたもの。石坂敬一会長からは、その背景となる音楽違法ダウンロード状況などについて説明が行なわれた。
石坂敬一 日本レコード協会会長 |
2010年1月1日より、著作権法第30条が改正、施行される。これにより、コンテンツの無断配信だけでなく、違法と知りつつダウンロードする行為も違法となる。石坂会長が「長い間、レコード協会が宿願として法改正の実現を目指していた」と語る背景には、音楽の違法ダウンロードが蔓延する状況がある。同氏によると、携帯電話での音楽違法ダウンロード件数は年間4億714万件。これは正規配信数の年間3億2,400万件を大きく上回る。同氏はこの状況を「これほど日本が、国民性が乱れたものを容認するということは、歴史上初めて」と強く批判。音楽配信ビジネスの健全な発展のためにも、携帯電話やパソコンで音楽を視聴する機会の多い若年層に対し、著作権の保護意識を啓蒙するキャンペーンを実施するとした。
「守ろう大切な音楽を♪」キャンペーンでは、著作権法第30条改正の周知、および音楽データの正規配信サイトであること示す「エルマーク」の認知度向上を目指す。具体的には、中高生を対象に、著作権保護やエルマークをテーマとした標語・ポスター・キャラクターのコンテストを実施する。応募締め切りは2009年12月11日、部活動などの団体単位で教師を通じてエントリーを受け付ける。結果発表は2010年1月18日。グランプリには30万円相当の現品などが贈呈される。特別審査委員として、フジテレビアナウンサーの高島彩と中野美奈子によるユニット「Early Morning」も参加する。このほか、著作権を順守することの重要性を説く解説DVDを制作、学校への貸し出しなどを行なっていく。
また、2009年12月6日には、10組のアーティストが参加するキャンペーンイベントを新宿ステーションスクエア(東京)で開催する予定となっている。