インテルは11月12日、都内で「インテル vPro テクノロジー フェスタ」と題した記者説明会を開催した。当日は米本社のvPro担当者が来日し、vProの現状、および今後の製品展開について説明を行なった。注目の32nmベースで製造される"Westmere"プロセッサによる次世代vProについても言及されている。
企業クライアントPCの更新に好機到来
まずは、米Intelのインテルアーキテクチャー事業本部 副社長 兼 ビジネス・クライアント・プラットフォーム事業部長のリック・エチャベリア氏より、有名なFortuneのトップ100企業のうち、71%の企業がvPro技術を導入済みであることや、日本国内でも導入事例が拡大していることなど、市場におけるvPro技術対応ソリューションの増加、およびvPro対応PCの導入が順調に拡大しているという報告がされた。
背景には、セキュリティと運用管理のコストが企業にとって大きな問題になってきているという現状がある。対してvProを活用することで、年々多額になっているセキュリティ事故による損害を抑え、運用管理のコストを押し上げているITサービスの負担を削減できると説明。不況下だけに投資は困難かもしれないが、同氏は、厳しい経済状況下であってもvProを導入することで、TCO削減と生産性の向上を進めることができるのだと、具体的な事例も交えつつアピールした。
さらに同氏によれば、今現在は、企業がPCをリフレッシュする時期としては最適なタイミングにあるのだという。その理由だが、ひとつは景気回復の兆しが見えていることであり、そこに備えた投資が必要であること。また、Vistaを見送りXPを継続している多くの企業にとって、Windows 7の登場が好機となっていること。OSとあわせて、Intelのプロセッサ製品もCore世代が本格化し、ハードウェアの性能向上のメリットも大きいこと。そして、Intelが推奨するPCリフレッシュの時期とも合致しているという4点である。
上記4つの理由の最後についてだが、エチャベリア氏によると、Intelの調査では、導入後3年以上が経過したPCは、最新のPCと比較した場合、セキュリティパッチ適用のリスクなどから、セキュリティ・インシデントの発生が約58%多くなってしまうのだという。調査会社IDCの調査データによれば、これまで企業がPCのリフレッシュを控えてきた結果、企業内PC利用年数はデスクトップPCでは5年、ノートPCでは4年が経過してしまっている。セキュリティ・インシデントのコストを考えれば、リフレッシュで投資コストを回収するのは容易いというわけだ。