日立製作所は11月16日、普通株の公募増資および転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行により、最大約4,150億円の資金を調達することを発表した。

調達資金は最大4,156億6,500万円であり、そのうち1,000億円をCB発行で調達し、残りは普通株で調達する。

同社では今回の資本増強の理由として、「社会イノベーション事業の強化」、「事業再編およびコスト削減の実施」、「連結グループの強化」を挙げている。

同社は今年7月、日立情報システムズ、日立ソフトウェアエンジニアリング、日立システムアンドサービス、日立プラントテクノロジー、日立マクセルの上場連結子会社5社を完全子会社化することを発表している。

調達資金のうち、2,200億円を社会イノベーション事業強化のための設備投資資金に、400億円は社会イノベーション事業強化のための資資金に、残額を借入金の返済に充当される予定。

社会イノベーション事業強化のための設備投資資金の使途内訳

事業の種別 主な内容・目的 設備投資予定額
情報通信システム ソフト・サービス事業の拠点整備・拡大を中心とした同事業全般の強化 900億円
電力産業システム 原子力事業などの電力システムの生産能力拡大、交通システム・都市開発システムの研究開発の強化など 1,000億円
電力産業システム、デジタルメディア・民生機器・高機能材料 リチウムイオン電池関連尾生産能力拡大 300億円

日立は2009年3月期に7,000億円の純損失を発表するなど収益環境が悪化しており、体制の立て直しを図っている。