12月11日より、横浜美術館にて現代美術家・束芋の出品作品すべてが新作という個展「横浜美術館開館20周年記念展 束芋:断面の世代」が行われる。

同展は、大学の卒業制作として制作したアニメーションによる映像インスタレーション「にっぽんの台所」がキリンコンテンポラリー・アワード1999最優秀作品賞を受賞後、第1回横浜トリエンナーレに最年少で出品、その後、パリのカルティエ財団で個展を開催するなど数々の国際展やグループ展に出品を続ける現代美術家・束芋の大規模な個展。

展示は、30代半ばを迎えた束芋の自らの世代感と世界観を、集合住宅という形によりシンボリックに表現。手描きのドローイングをもとに、独特の色をのせたアニメーションを制作。アニメーションは、複数の画面を組み合わせた立体的な映像空間として構成される。

新作の映像インスタレーション5作品の中には、今回初めて展示公開される吉田修一著の新聞小説『惡人』のための挿絵原画50枚も含まれる。それぞれの作品は、映像インスタレーションとして構成され、横浜美術館のグランドギャラリー(エントランスホール)と企画室全室を使う、かつてない規模の展示となる。

なお、関連イベントとして12月13日には束芋自身によるアーティストトークが行われるほか、12月25日には映像作品《油断髪》と、康本雅子のダンス、エレクトーン奏者・Tuckerの音楽が一体となったライブパフォーマンス「康本雅子×Tucker×束芋 ダンスライブ『油断髪』」が行われ、さらに、「断面の世代」着想の原点となった演劇公演WANDERING PARTY「total eclips-トータル・エクリプス」が再演される。関連イベントについては、Webサイトを参照。

展示作品(イメージ)より

「団地層」(イメージ)/2009年/映像インスタレーション/Courtesy the Artist and Gallery Koyanagi

「油断髪」(イメージ)/2009年/映像インスタレーション/Courtesy the Artist and Gallery Koyanagi

「団断」(イメージ)/2009年/映像インスタレーション/Courtesy the Artist and Gallery Koyanagi

「ちぎれちぎれ」(イメージ)/2009年/映像インスタレーション/Courtesy the Artist and Gallery Koyanagi

横浜美術館開館20周年記念展 束芋:断面の世代

会場 横浜美術館
会期 2009年12月11日(金)から2010年3月3日(水)
開場 10時から18時(金曜は20時まで、12月25日を除く)
休館 木曜日(2月11日[祝]は開館)、12月29日から1月1日、2月12日
入場料 一般1,100円、大・高校生700円、中学生300円