シマンテックは11月11日、中小企業のセキュリティ対策の実態を調査し、その結果を公表した。調査は今年の4月、従業員数1000人未満のセキュリティ製品導入決定者を対象に行われ、861社から回答を得た。

シマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャ 広瀬努氏

それによれば、情報システム部門を持ち、サーバにて集中管理を行っている企業数は、従業員数100人を境して大きく増大し、シマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティング マネージャの広瀬努氏は「従業員数100名が分水嶺になっている」と語った。

たとえば、セキュリティ製品についていえば、100名未満の企業では個人向け製品の導入が7割程度あるのに対して、100-499人に企業では逆に企業向け製品の導入が78%に達している。これは、サーバ導入率にも大きく関連しており、100-499人の企業のサーバによる集中管理実施率は62%に達しているのに対し、100人未満の企業では25%に留まっている。 そのため、各パソコンに重要データを保存する傾向が高いことから、100名未満の企業では、パソコンのバックアップに対するニーズが強い。

従業員規模別の個人向け製品、企業向け製品の割合

従業員規模別のサーバによる一元管理の割合

従業員規模別のセキュリティ管理担当者の割合

今後必要な対策では、いずれの企業もUSBメモリによるデータ漏洩防止の関心が高く、100名未満の企業でバックアップに対するニーズが高いほかには、特に目立った違いはない。

今後必要な対策

製品選択時に重視するポイントとしては、いずれの企業も1位に価格、次いでメーカーのブランド力を挙げたが、100名以上の企業では保守・運用コスト、管理の容易さといった、導入後の運用に対する関心が高くなっている。

製品を購入する際、重要視する要素

広瀬氏はこれらの調査結果を受け、定義ファイルの自動更新、セキュリティ事故発生時の原因究明のためのログ採取といった、サーバによる集中管理によるメリットを浸透させていくのと同時に、同社サイトにおけるセキュリティ情報の充実が必要だとした。