環境省は11月11日、2008年度の温室効果ガスの総排出量の速報値が12億8,600万トン(二酸化炭素換算)と発表した。同値は、京都議定書の規定による基準年(1990年度。ただし、HFCs、PFCs、SF6は1995年)の総排出量(12億6,100万トン)を1.9%(2,440万トン)上回っており、また、前年度と比べると6.2%(8,520万トン)の減少となっている。
同省では、前年度と比べて排出量が減少した原因として、金融危機の影響で下半期に景気が急激に後退したことにより、産業部門をはじめとする各部門のエネルギー需要の減少したことなどが挙げられるとしている。
2008年度のCO2排出量は12億1,600万トンで、基準年と比べると6.3%(7,210万トン)増加した。また、前年度に対しては、主に深刻な景気悪化の影響によりエネルギー起源CO2が6.7%(8,100万トン)と大幅に減少したことなどにより、6.5%(8,450万トン)減少した。
2007年度からのエネルギー起源二酸化炭素の増減の内訳は、産業部門(工場など)が4,880万トン(10.4%)減、運輸部門(自動車・船舶など)が1,000万トン(4.1%)減、業務その他部門(商業・サービス・事業所など)が970万トン(4.0%)減、家庭部門が830万トン(4.6%)減、エネルギー転換部門(発電所など)が460万トン(5.5%)減となっている。