STMicroelectronicsと米国ミネソタ州に本部を置く総合病であるMayo Clinicは、慢性心疾患患者の遠隔監視を行う新しいプラットフォームが検証段階に入ったことを発表した。
遠隔治療は、医師が患者と同じ場所にいなくても患者を監視・治療する方法であり、増大する医療コストを低減する上で欠かすことのできない手段であると考えられてきた。患者は、入院や外来で医師の診察を受ける代わりに小型機器を装着。その機器が患者の疾病と関連する生理的パラメータを常時監視を行うというもので、これにより、健康維持や疾病の早期発見などさまざまなメリットが考えられ、ライフスタイルの向上とともに、医療コストの低減が可能になると言われている。
同プラットフォームでは、各個人のデータや生理的パラメータを監視し、ライフスタイルや治療法の提言ができる総合的かつ小型ソリューションの実現に向け、先端センサ、マイクロプロセッサ、通信製品を使用したソリューションの開発におけるSTMicroの専門技術と、Mayoの医学的専門知識を組み合わせた研究開発協力が行われている。
センサ、低消費電力マイクロコントローラ、ワイヤレスモジュール、ワイヤレスインタフェースを統合することで、患者の心拍数、脈拍数、身体活動など、外部医療機器から無線で取得した数値情報を提供することが可能だ。
なお、遠隔監視については、患者へのサービス向上のほか、医師訪問による定期検診の回数が減少することによるコスト低減や健康問題の早期発見で早期治療が可能になることによる入院回数やコスト低減、および疾病からの順調な回復の可能性向上、通院の必要性が減少することによる環境負荷の軽減、疫学、薬の安全性、疾病に関する医療技術を推進するその他の研究に向けた包括的で統合されたデータの取得といったメリットも予想されるという。