Infineon Technologiesは、Taiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)と車載、チップカード、セキュリティの次世代アプリケーションを対象に、65nm 組み込みフラッシュ(eFlash)プロセス技術の開発と生産に関するパートナーシップを拡大すると発表した。同合意に基づき、2社は今後、自動車の品質とチップカードおよびセキュリティ市場におけるセキュリティ要件を満たすeFlashマイコン向け65nmプロセスの開発を共同で行うこととなる。
これまで、2社は産業用や有線通信用など、Infineonの複数のアプリケーションを対象に、10年以上にわたりパートナーシップをまとめてきており、2年ほど前には、TSMCの65nm 低消費電力プロセス技術をInfineonのモバイル機器用製品に活用するという製造合意を結んでいた。今回の合意は、これを踏まえたものであり、両社間の開発アライアンスと安定した長期的生産パートナーシップへ向けた継続的な姿勢を示すものとなっている。
TSMCとのパートナーシップ拡大は、製造のアウトソーシングを行い、65nm以下のジオメトリ・プロセス向け技術の共同開発に従事するというInfineonの戦略に即したもの。車載アプリケーション向けの65nm eFlash技術は、次世代の安全基準や排ガス基準で求められる性能や機能を実現する上で必要な機能統合に対応するもの。チップカード/セキュリティ・アプリケーション向けの65nm eFlash技術は、個々のニーズに合わせたセキュリティを実現するということを目的としており、これにより、スマートカード以上のフォームファクタ向けのアプリケーションで、適切な水準のセキュリティを実現することが可能となる。
なお、セキュリティマイコンのプロセスと製品認定は、2012年下半期中が予定されているほか、車載用マイコンの認定と生産開始は、2013年上半期の予定。これにより製造されるInfineonの32ビットマイコン「TriCore」ファミリが、同65nm eFlashプロセスとして初めて生産される車載用製品となる予定で、最終的には、TSMCがInfineonの各種セキュリティマイコン(接触型、非接触型、デュアル・インタフェース型)を製造することになる予定である。