大日本印刷(DNP)は11月9日、太陽電池の製造コスト削減に向け、バックシートと封止材を一体化した製品を開発、2009年11月よりサンプル出荷を開始することを発表した。また、併せて同社のバックシートと封止材の組み合わせのほか、DNPのバックシートと顧客企業が現在使用している封止材を一体化するサービスも開始することも発表した。
これらの製品の納入形態はロール状もしくはガラスサイズに加工したシート状の双方に対応しており、同社では、バックシートと封止材を一体化することにより、構成材料の最適化により、バックシート/封止材間の接着層を削減でき、最大約30%の部材コストの提言が可能としている。
また、太陽電池モジュール製造工程においては、材料交換・位置合わせなどの人的作業の低減により、異物混入や、封止材のはみ出しが減少し、スループットの増加およびプロセスコスト低減が期待できるとするほか、新規ライン導入時には、断裁設備、その設置スペース、材料保管スペースを不要にすることもでき、設備投資額の削減も可能となるとする。
なお、同社が実施した評価では、代表的な真空ラミネータ設備を使用したラミネート試験において、良好なラミネート性能を得たほか、モジュールの耐久性試験においても、従来方式と変わらない評価結果を得たとしている。
今後、国内のほか、中国、欧州、北米の太陽電池モジュールメーカーを中心にサンプルの提供を進め、2011年度には約30億円の売り上げを目指すとしている。