ヴイエムウェア 代表取締役社長 三木泰雄氏 |
ヴイエムウェアは11月9日、デスクトップ仮想化製品の新版「VMware View 4」を発表した。
VMware Viewは、同社の仮想化基盤「VMware vSphere」上で各ユーザーのデスクトップ環境を管理/実行するデスクトップ仮想化製品。端末には、通常のデスクトップ/ノートPCに加え、モバイル機器も利用できるほか、オフラインでも使用可能といった特徴がある。
新版では、米Teradiciが開発した仮想デスクトップ向けプロトコル「PC-over-IP」(以下、PCoIP)に新たに対応した。PCoIPは、LANだけでなくWANでの使用も意識して設計されたプロトコルで、デバイスタイプやネットワーク環境などを動的に検出し、状況に応じたデスクトップ体験を提供できる点が最大の特徴。
例えば、PCoIPを使用すると、通信速度が低い環境では、画面表示速度が著しく低下しないよう、画像の解像度を下げるなどの対応が行われる。ただし、その際にも、テキストに関しては高い解像度が確保され、PC操作を極力円滑に行えるような環境が作られるという。また、動画については、「フレームレートを落とすくらいなら各フレームの画質を落とす、という設計思想で開発されている」(ヴイエムウェア ストラテジックアライアンス テクニカルアライアンスマネージャ 名倉丈雄氏)と言い、他のプロトコルではコマ落ちするような映像も滑らかに再生される仕組みになっている。
PCoIPのデモの様子。PCoIP(左のスクリーン)とRemote Desktop Protocol(右のスクリーン)で同じ動画を同時に再生。RDPではコマ落ちが見られたが、PCoIPでは滑らかに再生された |
ヴイエムウェア ストラテジックアライアンス テクニカルアライアンスマネージャ 名倉丈雄氏 |
また、マルチモニタ環境に対応し、最大4枚のモニタが使えるようになった。各モニタの最大解像度は1920×1200pixで、モニタごとに解像度を変更することもできる。
さらに、ロカールに接続されたUSB機器が利用可能なうえ、プリンタに関しては、自動検出して、ドライバをインストールすることなく利用できるようになった。
各ユーザーのデスクトップを統合的に管理するアプリケーション「VMware View Manager」も強化され、プロビジョニングをオンデマンドで短時間に実行できるようになったほか、ディスクスペースを効率化する「VMware View Composer」により最大90%ものストレージコストを削減可能。加えて、「ThinApp 4」を使用することで、各デスクトップ環境のOSとアプリケーションを分離して管理することができ、デスクトップイメージ数の削減、アプリケーションの競合回避などの効果が得られるという。
VMware View 4は、EnterpriseとPremierの2つのエディションが提供される。それぞれに含まれるソフトウェアは次のとおり。
市場予想価格は、Enterpriseが1同時接続ユーザーあたり1万8000円、Premierが1同時接続ユーザーあたり3万1000円。いずれも10ユーザー、もしくは100ユーザー単位での販売となる。