EMCジャパンは、米EMCの主席副社長(EVP)でグローバルセールス部門を担当するデビッド・シュナイダー氏の来日に合わせ、重複除外市場の動向や戦略についてのプレス説明会を開催した。
シュナイダー氏は、EMCでバックアップ・リカバリ・システムズ(BRS)部門を担当しているが、前職はEMCが7月に買収したData Domain社で主席副社長を務めていた。
同氏は「バックアップはITの一部であったが、これまでそれほど変化がなかった分野だ。我々は、BRSでバックアップの将来を変えていきたい。最近は企業ユーザーもバックアップに非常に興味を持っているが、理由としてはテープ中心からディスク/ネットワーク中心のストレージへの移行傾向が見られることや、仮想化やクラウド技術により大容量化が促進され、データ量増え続けているという背景もある。ディスク中心のバックアップが実現できたのは、重複排除技術や圧縮技術が出てきたからだ」と、重複排除技術は、現在のディスク中心のバックアップでは不可欠の技術だと説明。
そして、シュナイダー氏は、Data Domainの重複排除技術の優位性として、可変セグメントの採用、インライン方式、CPU依存のアーキテクチャの3つを挙げた。
Data Domainの可変セグメントでは、4K-12Kサイズに対応するという。他社のソリューションの場合4Kの固定セグメントで重複を判断しているケースが見られるが、その場合、途中で2Kの追加データがあった場合、それ以降のセグメントはすべて2Kずつのズレが生じ、重複なしと判断されてしまうが、可変長の場合は、それを6Kのデータとして扱うことができ、以降のデータでズレがなく、効率よく重複データの排除が行われるのだという。
インラインというのは、一度重複排除用のディスクにデータを保存することなく、バックアップと同時に重複排除を行うため、効率が良いという。そしてこれを実現しているのが、CPU依存のアーキテクチャなのだという。
一般に、データを比較する場合は、データのフィンガープリントを作成するが、他社の場合、比較用フィンガープリントデータをディスク上に保存しているため、ディスクアクセスが発生するが、同社の場合はメモリ上に展開できる小さなデータのため、CPUとメモリで処理が完結するため高速なのだという。この技術なかには、「SISL」という特許技術が含まれている。
シュナイダー氏は重複排除市場について「現在は6-20%程度の重複排除技術の利用率が、2012年には70%になると予測もあり、急速に導入が進むだろう。そして、ここで多くの市場を獲得するのはEMCでなくてはならない」と述べた。シュナイダー氏によれば、現在のシェアは55-60%程度だという。