Infineon Technologiesは、電子機器の小型化・効率化を目指す汎欧州研究プロジェクト「MaxCaps(次世代のコンデンサとメモリのための材料)」において、ドイツから参加する5つのパートナの調整役に指名されたことを発表した。
同プロジェクトは、シリコンチップ上にコンデンサを集積する方法を開発することで、プリント基板(PCB)上に実装されるディスクリートコンデンサの数を最大30%削減することを目指すというもの。アプリケーションによって差はあるものの、実現すれば基板上にディスクリートコンデンサを実装する場合に比べ、必要な基板面積を約半分に抑えることができるようになると見込まれている。
また、チップにコンデンサを集積することで、基板にはんだ付けする接点が少なくなるため、電子システム全体としての信頼性の向上も期待されている。
研究活動期間は2011年8月までを予定しており、これらの活動で得られた成果は、シリコンチップに大容量コンデンサを集積するための基礎となるものとなる。現在の技術では、コンデンサはディスクリート部品として基板上に実装しなければならないため、そのためのスペースが必要となるが、同プロジェクトでは、現在チップ製造で誘電体として使用されている二酸化ケイ素や窒化ケイ素などに代わる素材の探求が行われており、高誘電率(≧50)を持つ新しい絶縁材料とその蒸着プロセスの開発を目標としている。
予算総額275万ユーロで、ドイツ連邦政府のハイテク戦略・資金拠出プログラムである「Informations- und Kommunikationstechnologie 2020(IKT 2020)」の一環として、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)も資金を拠出している。
18の化学装置・蒸着装置メーカー、半導体メーカー、自動車関連システムサプライヤー、研究機関、大学が参加しており、その内ドイツ企業はAixtron、IHP - Innovations for High Performance Microelectronics / Leibniz Institut fuer innovative Mikroelektronik、R3T、Continental、Infineon Technologiesとなっており、欧州MEDEA+プログラムとIKT 2020プログラムの枠組みのもとで同プロジェクトに取り組んでいる。