Wolfson Microelectronicsは11月5日、日本におけるデジタル民生機器市場に向けた製品開発を行う半導体開発センターを同社日本法人のウォルフソン・マイクロエレクトロニクスの横浜オフィス内に開設したことを発表した。
同センターで開発に従事するエンジニアは10名で、いずれもミクスドシグナルのエンジニア。市況を判断しながら、順次増員を行っていく予定。
同社は本社のある英国に2つ、ドイツに1つの開発拠点を有しており、横浜の開発センターで合計4つの開発センターが連携して新製品などの開発にあたることとなる。横浜の開発センター開設にあたり、WolfsonのCEOであるMike Hickey氏は、「現在、世界は不況という波にさらされているが、我々は市場の回復を待つつもりはない。今、積極的な施策を行うことが、強みであるノイズキャンセレーション分野などでのリーダーシップの地位を確固たるものにすると考え、特に民生分野での重要地域である日本での開発センター開発にいたった」と、その経緯を説明する。
実際、同社の売り上げの20~25%が日本市場の売り上げであり、「デジタル民生機器に関する技術は、日本で受け入れられれば、それは世界標準になると言っても間違いないと考えている」(同)とする。
そうした日本の地域性について、同氏は「Just like Wolfson」と表現し、日本での成功こそが世界で成長を果たすことにつながることを強調、「開発センターを日本に開設したことで、業界初、世界初といった技術の開発スピードを加速させていきたい」(同)とした。
同社では、開発センターの開設により、従来以上に顧客の近くでニーズに見合った半導体の開発およびサポートが可能になるとしており、民生機器向けに低消費電力なマルチユースの画像処理チップやオーディオCODECの開発を進めていくという。すでに第1弾製品の開発が進められており、多機能プリンタ(MFP)やデジタルスチルカメラ(DSC)にフォーカスした画像処理技術の開発が進められているほか、こうした実績を積み重ねていくことで、オーディオ分野などにも適用範囲を広げていきたいとしている。