富士通は11月4日、成田国際空港において航空機の離着陸予定などの運航情報を一括管理している運航情報管理システム「NARCⅢ」を再構築したことを発表した。

NARCとは、成田国際空港を離着陸する全航空機運航の予定情報、現在情報、実績情報を正確かつ適時に把握し、安全かつ円滑な空港運用を支援する成田国際空港の基幹システム。

同システムでは、国土交通省航空局から送られてくるフライトスケジュールや航空機のATS情報、航空会社からの運航情報などの情報を管理しており、それらの情報は航空機の施設使用記録として利用されている。

また同システムは、空港内の航空機管理に欠かせない2つのシステム、ターミナル近辺にあるエプロン(飛行場の中で乗員・乗客の乗降、貨物の積み下ろし、燃料の補給、点検整備などのために航空機を駐機する場所)エリアでの航空機の移動を支援する「ランプワークステーション」、航空機の駐機場所「スポット」の管理をする「スポット割当管理システム」と連携し、エプロン運用管理業務を支えている。

エプロンエリアのイメージ

NARCⅢの仕組み

成田国際空港は、B滑走路を2,180mから2,500mへ延伸する工事を実施し、今年10月から供用を開始した。これにより、来年3月には空港全体の年間発着回数が20万回から22万回に増えると予想されることから、今回NARCの再構築で運用管理を強化することとなった。

今回、年間発着回数の増加に対応すると同時に、大型汎用機システム「NARCⅡ」から、オープン系システムとして富士通のUNIXサーバ「SPARC Enterprise」を用い、「NARCⅢ」が再構築された。