バックボーン・ソフトウエアは10月30日、バックアップ・ソフトウェア「NetVault Backup」の最新バージョン8.5 を発表した。同製品は、BakBoneのOpen Data Protection Platformをベースとした最初の製品「NetVault SmartDisk」をリリースし、新しいディスク・バックアップとDedupe(データ重複排除)オプションを提供する。
新製品発表セミナーに登場したプレジデント兼CEOを務めるJames.R Johnson氏は、「われわれは12ヵ月かけて、新たな戦略"Universal Data Management"を策定した。この戦略は、"統合データ保護"、"集中保護管理"、"メッセージ管理"という3つの柱から構成される。この3つの柱をもとに、製品を展開していく。今後さまざまな製品のリリースを予定しているが、それらの中には、クラウドコンピューティングのための製品もある。例えば、リアルタイム・ディスク・バックアップ・ソフトウェアのNetVault FASTRecoverの次期バージョン4.0では、プライベートクラウドの対応とクラウドへのバックアップに対応する」と、今後のロードマップを明らかにした。
また、代表取締役を務める大越大造氏は、「NetVault Backup 8.5の最大の特徴はNetVault SmartDiskの提供にある」と説明した。
NetVault SmartDiskはバックアップ用ストレージプールで、NetVault VTLの後継製品だ。SmartDiskはNetVault VTLと異なり、ディスクに仮想的にテープ・ライブラリを作成することなくディスクにバックアップが行える。その際、異なるプラットフォーム間で共有することが可能だ。
NetVault SmartDiskはDedupeオプションを提供するが、同オプションはバイト単位の可変長ブロック・ベースであるため、固定長で生じるマスキング変更や重複排除データをユニークと判断して保存する問題を回避できる。また、同オプションはソフトウェアベースであるため、ハードウェアに依存しない。
同氏は、「NetVault SmartDiskは、ストレージに要するコストを削減し、ハードウェアに依存しないので既存の環境で利用することができる」と、同製品の長所をアピールした。
NetVault Backup 8.5にはNetVault SmartDiskのほかにも新たな機能が追加されている。まず、暗号化プラグインでは、AES-256とCAST-256に対応したほか、プライマリ・バックアップは暗号化しないでセカンダリー・コピーのみ暗号化する機能を備えている。
マイクロソフトの仮想化機能「Hyper-V」による環境のデータ保護を行うための「Hyper-V Plugin」が新たに提供されている。同プラグインにより、「WindowsゲストOS上の個々のファイルのバックアップ/リストア」、「Windowsベースの仮想マシンで稼働するExchange、SQL Server、SharePointなどのVSS対応アプリケーションのオンライン・バックアップ」が行える。
そのほかの新機能としては、クライアントOSに適したバックアップ・オプション「Workstation Client」やディザスタ・リカバリ用に、バックアップ・サーバやバックアップ・クライアント自身のイメージ・バックアップ/リカバリを行うための「Bare Metal Recovery for NetVault Backup Server/Client」がある。Bare Metal RecoveryはVaultDRから名称が変更になったものだ。
同氏は今後のロードマップとして、「2010年上半期、Windows向け製品としてはExchange/SQL Server/SharePoint向けのオプションであるAPM 4.5のリリースを、ディスク・バックアップ製品としてはSmartDisk 2.0のリリースを、仮想環境向けにはVMwareのためのプラグインのリリースを予定している」と語った。
同製品はWindows 2008 R2、Windows 7、Mac OS X Snow Leopardへのサポートが追加されており、価格は最小構成で14万4,000円から(税抜、初年度保守費用込み) となっている。