STMicroelectronicsは、STM32マイコンシリーズの1つである「コネクティビティ・ライン」向けのアプリケーション設計を加速させる低コスト/フル機能の開発プラットフォーム(USBスティック型)「STM32-comStick」を発表した。価格は69ドルで、STMicroならびに販売代理店、Hitexのいずれかから購入することが可能となっている。

USBスティック型の開発プラットフォーム「STM32-comStick」

コネクティビティ・ラインは、2009年6月に量産を開始。ARMの「Cortex-M3」コアにイーサネット、USBデバイス/ホスト/OTG、CANおよびオーディオ・クラスI2Sの各ペリフェラルを追加することにより、ネットワークと通信機能を必要とするアプリケーション向けに低電力の32ビット処理とリアルタイム動作を提供する。

STM32-comStickには、機能制限のないHitex HiTOP5 IDE/デバッガとTASKING Cコンパイラ、アプリケーション制御が可能な組み込みGUI、および256KBのFlashを備えた「STM32F107VC」(72MHz)が搭載されている。これにより開発者は、同プラットフォームを直接PCのUSBポートに挿入し、外付け部品や追加のソフトウェア、電源などを必要とせずマイコンの通信ペリフェラルの評価と独自アプリケーションの構築、プログラム、およびデバッグを行うことができるようになる。

また、開発の効率向上のため、ソースコードのサンプルによりマイコンのイーサネットおよびUSBペリフェラルの実例が示されている。サンプル・アプリケーションには、TCP/IPスタック上で動作する組み込みWebサーバ、USBホスト・マス・ストレージ・ペリフェラル、およびファイル・ストレージ機能の例を示すファイル・システムが含まれている。

なお、STM32-comStickのほか、STMicroでは最大512KBのFlashメモリを内蔵した72MHzの「パフォーマンス・ライン」を使用する開発者向けとして「STM32-PerformanceStick」も提供を開始している。