東芝は10月27日、同社のCMOSイメージセンサ(CIS)「Dynastron」の新製品として、デジタルカメラや動画対応の携帯電話向けに高感度化を実現するBSI(Back Side Illumination:裏面照射)技術を導入した1,460万画素品を開発、2009年末からのサンプル出荷および2010年第3四半期からの量産を発表した。
BSIは、受光部が配線層で減衰しないよう裏面から光を入れる設計・加工技術で、CMOSセンサの高画素化に伴う感度低下の課題を解決することが可能。新製品は、画素ピッチ1.4μmと現在実用化されている中で最少クラスを実現しながらも、同技術を用いない従来製品に対して感度を約40%向上させることに成功している。
従来のFSI(Front Side Illumination)の構造。受光部の上に配線層を形成し、レンズを取り付ける。光は配線の合間を通って届くので、斜めの光は遮られ、配線による反射もあるため、感度は低下する |
BSI型の構造。受光部と配線層ができた後、基板の裏面を削って受光部に近接してレンズを取り付ける。このため、配線の影響を受けず感度を向上させることができる |
同社はこの技術を採用したCISの製品化を機にデジタルカメラ市場に本格参入するとしており、生産拠点を大分工場と位置付け、同工場の300mmウェハラインにて65nmプロセスを用いて、月産50万個の規模から量産を開始する計画である。
なお、同製品の光学フォーマットは1/2.3インチ、フレームレートは60fps(1080pおよび720pに対応)となっている。