ガートナージャパンは10月26日、全世界における2010年のIT支出の見通しを発表した。
発表は、10月18日から米国フロリダ州オーランドで開催していた「Gartner Symposium/ITxpo 2009」において行われたもの。それによると、2010年のIT支出は前年比3.3%増の3兆3000億ドルになる見込みという。
同社では、2009年が前年比5.2%減であったことにも触れたうえで、IT業界が過去最悪の状況を抜け出しつつあるとの見解を示している。
ただし、「2012年までは2008年の売上レベルに戻ることはない」(米Gartner シニア・バイス プレジデント兼リサーチ部門 最高責任者 ピーター・ソンダーガード氏)とし、50%以上の企業は依然として、IT予算は前年比フラットか減少し、2011年になって初めて徐々に回復に転じることになると予測。「2010年は、企業のコスト、リスクと成長について、バランス良くかじ取りをしなくてはならない年」(ソンダーガード氏)と、注意を促している。
また、同社は、IT予算の観点からの2010年にITリーダーが考慮すべき重要事項として「設備投資(CAPEX)から運用コスト(OPEX)へのシフト」、「ITハードウェアの長期利用による影響」、「質の高いビジネス・ケース設定をIT部門が学ぶ必要性の増大」の3つを挙げている。
加えて、ソンダーガード氏の見解というかたちで、2009年より続く重要項目として「ビジネス・インテリジェンス」、「仮想化」、「ソーシャル・メディア」の3つを、今後注目の新たな重要項目として「コンテキスト認識コンピューティング(Context-Aware Computing)」、「オペレーショナル・テクノロジ(OT: Operational Technology)」、「パターン・ベースト・ストラテジ (Pattern-Based Strategy)」の3つを挙げている。