米Texas Instruments(TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツは、低消費電力マイコン「MSP430F4xx」16製品および、ARM Cortex-M3ベースのマイコンファミリ「Stellaris」29製品、マイクロプロセッサ(MPU)「Sitara」ファミリとして初めてARM Cortex-A8をベースに採用した「AM3505」「AM3517」などを発表した。

Stellarisのパッケージ画像

"MSP430F4xx"は通常のアナログ・フロントエンド(AFE)製品に対する要求と誤差0.1%以下の計測精度を、高集積化により実現。また、不正利用防止機能を搭載することで、電力の検針時の確実性を確保している。

"Stellaris"の新製品は、モーション・コントロール用途の独自IPやインテリジェント・アナログ機能、コネクティビティを備え、インダストリほかさまざまな用途向けマイコンで、今回、新たに小型パッケージを追加している。また、同社の「StellarisWare」ソフトウェアをROMに格納、フラッシュメモリの節約が可能なほか、製品開発の容易化、市場投入時間の短縮が実現可能となっている。

さらに、動作周波数は最大80MHzなほか、最高50MHzまでシングル・サイクル・アクセス可能なフラッシュメモリおよびSRAMを内蔵し、メモリ性能の最適化も行っている。 Cortex-A8ベースのMPUである"AM3505"と"AM3517"は工業用アプリケーション向けに最適化された製品で、評価モジュール「AM3517 EVM」も用意されている。

CANコントローラ、およびイーサネットMAC(EMAC)をはじめとする複数のペリフェラルをオンチップに集積、最高10ドル程度のシステム・コスト低減を実現する。また数々のコネクティビティ・インタフェースを備え、工業用オートメーション、POS端末、ポータブル・データ端末、およびシングルボード・コンピュータなどの製品において、ネットワーク、デバイスおよびセンサ通信などの諸機能を簡単に追加することが可能だ。

2製品ともに500MHz駆動で、1000DMIPSを実現しながら、1W以下で動作し、冷却ファンなどを不要とし、小型で気密性の高い筐体での使用も可能となっている。

また、ピクチャ・イン・ピクチャ、色空間の変換、回転とリサイズなどの機能をサポートするディスプレイ・サブシステムを搭載しているほか、センサおよびコントローラのローカル制御用にCANコントローラを集積している。

さらにPHY内蔵のUSB 2.0 ハイスピードOTG対応インタフェースをはじめとするコネクティビティ・オプションを用意しているほか、DDR2メモリをサポートすることで、システム・メモリの総合的なコスト低減にも貢献することが可能だ。

なお、AM3517は、AM3505にグラフィックスエンジン「PowerVR SGX」を追加、最大10Mポリゴン/秒の処理能力に加え、Open GL ES 2.0、3Dグラフィカル・ユーザー・インタフェースなどの処理が可能になっている。