モバイル通信機器メーカー最大手のスウェーデンEricssonは10月22日(現地時間)、2009年第3四半期(7月 - 9月期)の業績を報告した。これまで、世界不況の中で業績を維持してきた同社だが、第3四半期の純利益は前年同期比71%減少、厳しい経済環境による需要減と価格競争の影響を受けた形となった。

同期、売上高は464億スウェーデンクローネ(SEK、約6,242億円)、営業利益は55億SEK(約739億円)となった。共に前年同期と比べ、5.6%減、3%減となった。純利益は8億1,000万SEK(約109億円)で前年同期比71%減、1株あたり利益は同72%減少し0.25SEK(約3.3円)だった。売上高、純利益ともに、アナリストの業績予想を下回った。

Ericssonは2009年1月、2010年後半より年間100億SEK(約1,345億円)を節約するという大規模なコスト削減計画に着手しているが、第3四半期はリストラ経費として27億SEK(約363億円)を計上した。今年に入り、リストラ経費として合計70億SEK(約941億円)を費やしたという。

分野別には、ネットワーク機器が前年同期比8%減の303億SEK(約4,077億円)、管理サービスなどプロフェッショナルサービスが同9%増の128億SEK(約1722億円)、マルチメディアが同4%減の34億SEK(約457億円)となった。

同社では、厳しい市場環境にあって需要が低下していることからネットワーク機器の売り上げが減少したと説明している。経済環境は世界のモバイルインフラ市場に影響を与えているとしながら、中国、インド、米国、日本など一部市場でよい成果が出ているという。地域別の売上高は、前年同期比18%減少したラテンアメリカなど、西欧州、中央・東欧州/中東/アフリカで2桁減となった。アジア太平洋は9%増、北米は1%増となった。

ネットワーク機器市場は不況に加え、Huaweiなど中国ベンダの価格競争を受け、厳しい状況が続いている。フィンランドNokiaも第3四半期業績で、合弁子会社Nokia Siemens Networksの評価を切り下げている。