ノークリサーチは10月23日、2009年の国内中堅・中小市場におけるクライアントPC向けセキュリティ製品の利用シェアと評価に関する調査結果を発表した。上位トップ3の製品は昨年と変わらず安定したシェアを確保している。
導入済みのクライアントPCセキュリティパッケージは、トレンドマイクロの「ウイルスバスター」が47.7%とトップで、これにシマンテックの「ノートンシリーズまたはSymantec Endpoint Protection」(21.8%)、マカフィーの「McAfee」(12.2%)が続く。いずれも昨年の順位と変わらず、安定したシェアを保っている。
ただし年商50億円未満の企業では、低スペックPCでも負荷のかからないキヤノンITソリューションズの「ESET NOD32 AntivirusまたはESET Smart Security」や、更新時の費用が不要なソースネクストの「ウイルスセキュリティZERO」といった手軽さを重視した製品のシェアが伸びてきている。
また利用予定(新規導入または今後も継続して利用する意向のある)のクライアントPCセキュリティパッケージのシェアは、上位2位は導入済みと同じだが、第3位は「McAfee」から「ESET NOD32 AntivirusまたはESET Smart Security」が取って代わる結果となった。
同社では、攻撃手法が多様化することで、セキュリティ対策処理の実行頻度が上昇傾向にあるため、動作時に消費するCPUやメモリがの少ない製品が好まれる傾向が強く、その点で定評のある「ESET」を検討するケースが増えていると推測している。
同調査では、利用シェア上位5製品の評価についてもまとめている。最も高い評価を得たのは軽量性で定評のある「ESET NOD32 AntivirusまたはESET Smart Security」だ。一方、更新費用無償をアピールする「ウイルスセキュリティZERO」は、コスト面のメリットが評価結び付いていないと指摘されている。