ARMは、ARMマルチコアプロセッサとして最少、最低消費電力を実現した「ARM Cortex-A5 MPCore」プロセッサを発表した。
同プロセッサは、実装面積効率、消費電力効率の高いユニプロセッサ、または最大4個のマルチコア・プロセッサとして提供され、ハンドセットやモバイル機器市場などで要求される性能と消費電力のスケーラビリティを実現するという。
また、ARMでは、Cortex-A5ユニプロセッサは、既存の「ARM926EJ-S」および「ARM1176JZ-S」プロセッサライセンシの移行パスとなるとしている。ARM926EJ-Sのシリコン面積と電力内でARM1176JZ-Sより高い性能を発揮することが可能で、かつ電力効率は2倍近く向上しているという。
さらにCortex-A5マルチコア・プロセッサでは、MPCoreのパフォーマンスが従来より強化されているという。なお、ARM MPCoreプロセッサは、NECエレクトロニクスやNVIDIA、ルネサス・テクノロジ、東芝など15社以上の半導体メーカにライセンスされ、多数のアプリケーションに実装されている実績を有している。
加えてCortex-A5は、セキュリティ・テクノロジー「TrustZone」、および「Cortex-A8」に導入されているマルチメディア処理エンジン「NEON」も搭載している。NEONは、ARM Cortex-Aシリーズのプロセッサに対応する128ビットSIMDアーキテクチャ拡張機能で、マルチメディアを多用するアプリケーションに対し、高速処理を実現する。
Cortex-A5は、従来のCortex-A8およびCortex-A9とアプリケーション互換性を備えており、Android、Adobe Flash、Java Platform Standard Edition(Java SE)、JavaFX、Linux、Microsoft Windows Embedded、Symbian、Ubuntu、そのほか600社以上のARM Connected Communityメンバーを含む開発者とソフトウェアのエコシステムに対応することが可能である。
なお、Cortex-A5は、すでにSamsung Electronicsなど複数の企業にライセンスが行われており、一般にもライセンス開始済みであり、提供は2009年第4四半期が予定されている。