クレオは10月20日、法人向け会計システム「ZeeM 会計」のIFRS(国際会計基準)への対応計画を発表した。同社は企業のIFRS対応を支援するため、同計画の実施に加えて「ZeeM IFRS対応推進室」を設置した。
代表取締役を務める土屋淳一氏は、「IFRSが企業に与える影響は相当大きいと予想され、顧客はIFRSへの対応をいかにすべきかについて高い関心を持っている。当然、基幹業務パッケージを提供している当社としては、提供している製品においてIFRSへの対応を行っていく。現在のところ、国内におけるIFRSへの対応の詳細はまだ決まっていないが、今後、会計士と相談しながら、パッケージベンダーとして責任を持って取り組んでいく」と、同社がIFRSに対して積極的に取り組んでいく姿勢を強く打ち出した。
計画の詳細については、同製品を担当する執行役員の林森太郎氏から説明がなされた。同社のIFRS対応の計画は、2011年3月までにコンバージェンス対応版をリリースし、2011年12月にアドプション対応版をリリースし、その後2015年(予定)のIFRS強制適用に向けて一層の機能強化を行うというものだ。
まず同氏は、業務システムにおけるZeeMの位置づけと機能について説明。「業務システム全体において、ZeeMの対応範囲は単体会計システムと固定資産管理システムとなる。資金管理システムや販売システムといったそれ以外のシステムについては、他社の連携によって対応を検討していく」
コンバージェンス(収斂)対応としては、「資産除去債務」、「マネジメントアプローチへの対応」、「"会計上の変更/過去の誤謬"への対応」が行われる。資産除去債務では、「債務計上」、「償却費計上」、「償却費計上」を行う。
アドプション(全面採用)対応としては、「複数帳簿対応」、「財務諸表対応」、「期ずれへの対応」、「固定資産/リース資産への対応」が行われる。
同氏は「アドプション対応の中で複数の帳簿への対応が最もインパクトが大きい」と指摘した。同製品では、「IFRSと日本基準の複数帳簿」、「IFRSベース」、「日本基準ベース」の3つの方式に対応する。
同氏は「IFRSは上場企業を対象としているが、当社は中堅企業をターゲットとしており、すべての顧客がIFRSの対象になるわけではない。しかし、当社では企業における情報開示の最終型として、すべての規模の企業が目指すべき会計の姿ととらえており、IFRSの対象ではない顧客も対応を目指すべきだと考えている。また、製品の競争力を強化するためにも、そのコンセプトをIFRSに従ったものとしていく」と述べた。