富士通エフ・アイ・ピーは10月6日、企業がどのようにして新型インフルエンザの予防対策と事後対策を立てるべきかを解説するセミナーを実施した。ここでは、富士通エフ・アイ・ピー リスクマネジメント統括部 統括部長 間博之氏の講演「当社データセンタにおける新型インフルエンザ対策」から、データセンターではどのような新型インフルエンザ対策を実施すべきかを考えてみたい。
同氏は、データセンターは社会を支えるインフラとして事業継続が重要視され、その一環として新型インフルエンザ対策が不可欠だと述べた。同社では、災害・事故対策は建物・設備・情報システムを中心に行っているのに対し、新型インフルエンザ対策はデータセンターを運用する人を対象に実施している。
同社が2008年度から実施しているインフルエンザ対策は、「行動計画策定」、「感染予防・拡大防止策」、「事業継続計画(BCP)策定」、「訓練」という4つのプロセスから成る。2008年度は「教育・啓発」と「感染予防・拡大防止策」を主として行っていたが、新型インフルエンザの発生により「BCP策定」と「訓練」が急務となったそうだ。
同氏は、「新型インフルエンザ(H1N1)への対応は想定していた状況との乖離が激しく、現状に則して対応を変更することになった」と話した。というのも、新型インフルエンザは弱毒性であるのに対し、強毒性鳥インフルエンザ(H5N1)をベースに対応が想定されていたからだ。例えば、通勤時に想定された対応は「時差出勤」、「通勤手段の変更」であったのに対し、実際には想定されていた混乱が起こらず、政府・鉄道会社からの要請がなかったため、何も実施しないことになった。
こうしたことも踏まえ、同社では従来の強毒性への対策に加えて、弱毒性への対策を検討・実施することになった。